COLUMN派遣エンジニアは “やめとけ “ と言われてしまう? その理由と働き方について

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派遣エンジニアは “やめとけ “ と言われてしまう? その理由と働き方について

派遣エンジニア
「派遣エンジニア」 と聞いてどのような印象を受けるでしょうか。
「労働環境があまりよくないのではないか?」
「収入が上がらないのではないか?」
などネガティブな印象を受ける人が多いのではないでしょうか。
しかし、実際は、 派遣エンジニアの働き方は魅力的であり、 人によっては満足度の高い契約形態でしょう。
そこで、この記事では「派遣エンジニア」がなぜこのようなネガティブなイメージを持たれやすいのか、 また、 実際にどこまで派遣エンジニアの仕事はブラックなのかについて説明したのち、 派遣エンジニアの将来性の高さについても紹介していきます。

派遣エンジニアとは?

そもそも「派遣」 には大きく分けて3つの種類があります。
それぞれの派遣種類と割合は、以下の通りです。
年度 登録型派遣 紹介予定派遣 常用型派遣
2023 46.6% 21.6% 31.7%
2022 46.1% 22.2% 31.6%
2021 56.1% 11.4% 32.5%
登録派遣型が最も多く、紹介予定派遣が最も少なくなっています。
ここからは、それぞれの働き方について紹介します。

登録型派遣

一つ目は登録型派遣です。
まず派遣会社に登録すると派遣会社から仕事を紹介されます。
そして派遣元の会社と雇用契約をむすび、基本的に最長3年間その会社で働くのが登録型派遣です。
いわゆる多くの人が想像する 「派遣」はこれに当てはまります。
2023年では46.6%と3つの派遣種類の中で最も大きな割合をしめています。

紹介予定派遣

二つ目は紹介予定派遣です。
これは派遣期間(最大6ヶ月) が終わったのちに正社員登用の可能性がある派遣です。
注意しなければならないのは、あくまで可能性があるというだけで、 派遣期間終了後、 不採用になる可能性も十分ある点です。
とはいえ、2021年では11%弱に留まっていましたが、2023年では21.6%と増加傾向にあります。
そのため、紹介予定派遣として働きやすく、正社員登用の可能性をつかみやすくなっていると言えるでしょう。

常用型派遣

三つ目は常用型派遣です。
これは主に、派遣元の契約社員・正社員として雇用 (無期雇用) された上で、派遣先で働くという形態です。
しばしば「正社員型派遣」と呼ばれるのはこの常用型派遣のことです。
正式には「常用型派遣」と呼ばれるので、以下ではその名称で統一します。
2023年では常用型派遣が31.7%を占めています。
一口に「派遣」といってもこのように、さまざまな形態が存在するので、 まず自分が派遣の中でもどういった形態がいいかを考えるのが良いでしょう。
そして、本題の派遣エンジニアとは、これらのうちのいずれかの形で派遣社員として派遣先の企業で働くエンジニアのことを指します。
特に一般的なのは、IT系のエンジニアなので、ここからは 「派遣ITエンジニア」のメリットデメリットについてそれぞれの種類ごとに説明していきます。

派遣エンジニアはなぜ 「やめとけ」 と言われる? 登録型派遣エンジニアのデメリット

なぜ派遣エンジニアは、「やめとけ」 と言われやすいのでしょうか。
想定される理由は4つあります。
  • 福利厚生が整っていない
  • 単純作業ばかりで浅い経験しか積めない
  • 給料が低い・安定しない
  • いつ派遣の契約を切られるかわからない
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

福利厚生が整っていない

数ある雇用形態の中で「派遣」に対するイメージは決して手放しに良いと言い切れません。
しかし実は、派遣社員でも給与面ではスキルなどによっては正社員より高い場合もあります。
ただし、これまでは正社員とは違い福利厚生面で差が大きいとされてきました。
実際、2020年4月の労働者派遣法改正以前は、福利厚生施設の利用機会の不足や、法定外福利厚生の不公平な扱いなどを受けていました。
派遣社員は、しばしば一時的な労働力として扱われ、キャリア形成や福利厚生の利用が疎かにされやすかったのです。
しかし、2020年4月に行われた改正労働者派遣法の施行により、派遣社員の待遇は、大きく改善されています。
法改正による主要なポイントは、以下のとおりです。
  • 同一労働同一賃金の原則
  • 不合理な待遇差の禁止
  • 法定外福利厚生の同等利用
つまり、正規従業員と同じ福利厚生が利用できることで、職場内の待遇差が縮まったということです。
このことから、現在においては、派遣社員の福利厚生は以前に比べて大きく改善しています。

単純作業ばかりで浅い経験しか積めない

多くの場合システムの開発などの重要な場面を派遣社員に任せてもらうことは難しいでしょう。
なぜなら会社にとって重要なシステムのコア部分を、いわば部外者と考えられやすい派遣社員に任せるのは、会社にとってリスクとなってしまうからです。
そのため、基幹部分はプロパーが担当し派遣社員はその他の雑用を任されるというケースもあるでしょう。
結果、 派遣の立場では単純作業が多くなり、 深い経験を積むことが難しくなってしまうのです。
もちろん案件によって例外はあるため、 裁量権のある仕事や案件にアサインされるケースもあります。
自分のスキル次第ではありますが、どうしても単純作業に近い仕事が多い傾向があるため、経験を積みたい人は、働く前に実際にどこまでの業務を任せてもらえるのかを確認すると良いでしょう。

給料が低い・安定しない

登録型の派遣エンジニアということは、契約は有期です。
つまり一定期間派遣先で働いて、その期間が終わったら、 仕事がなくなり給料も発生しなくなるということです。
もし、仮に次の紹介先が決まらなければ、 給料もないというのは非常に先行きが不安定でライフプランなどもたてにくいでしょう。
お金の面でも浮き沈みが激しくなる可能性があり、 安定性が低いと言えるのです。
また、そもそも給料が低い場合もあります。
この点については後ほど説明する通り、一概には言えませんが、未経験などでスキルも低い場合、 正社員に比べると給料が低くなるということはあります。
派遣エンジニアだから必ずしも低いわけではなく、 未経験や経験浅でも採用されやすい分、 給料が安くなりやすい傾向があるのです。
このように、派遣エンジニアの年収と時給は低いとは言い切れないと言えます。
下記では、派遣エンジニアの平均年収について紹介していますので、チェックしてみてください。

いつ派遣の契約を切られるかわからない

また登録型の派遣の一番のデメリットは派遣切り (雇止め)にあう可能性がある点です。
派遣切りとは契約満了になる前に何らかの事情で契約を打ち切られてしまったり、一定期間雇用を継続したにも関わらず、次回の契約を更新してもらえなかったりする場合を指します。
このような場合、 派遣元、 派遣先共に次の就業先の確保をすべく対処するはずですが、 必ずしも求職者の要望を満たしきれない場合もあり、 新たに求職活動を余儀なくされる場合もあるはずです。
こういった背景から派遣という制度自体が「ブラック」というイメージで語られることがあるのも事実です。

常用型の派遣エンジニアではどうか?

常用型派遣の場合も基本的に登録型とデメリットの部分は変わりません。
なぜなら派遣先の企業の人にとってはその人が 「登録型」 なのか 「常用型」 なのかという区別はなく、 どちらにせよ同じ 「派遣エンジニア」として考えられるためです。
一方で常用型の場合は派遣元の会社との無期雇用契約があります。
そのため派遣先の企業が決まらない期間も給与が入ります。
そういった面では相対的に安定感があると言えるでしょう。
しかし常用型特有のデメリットも存在します。

自由度が低い

登録型派遣はさまざまなデメリットはあるものの、 例えば契約が終わったら少し休みをとるなどの自由があります。
一方で、常用型の場合、派遣元としても給料だけを払わなくてはいけない待機時間はできるだけ減らしたいと考えるため、基本的に次から次へと派遣先にいくことになります。
そういった面で一般的によく考えられる 「派遣らしさ」は損なわれると言えます。

採用難易度が高い

基本的に常用型の方が安定していると考えやすいため、 人気度もその分高くなっています。
そのため登録型よりも採用難易度は高くなると言えるでしょう。

派遣エンジニアに向かない人

以上のことからどういった人に派遣エンジニアが向かないかを説明します。

安定志向

基本的に派遣はどのような形態であっても給与面でも労働環境面でも安定性には欠けます。
そのため、できるだけ安定してお金を稼ぎたいという考えの人は、できるだけ正社員雇用を目指すのが良いでしょう。

適応能力が低い人

派遣は終身雇用とは違い、長く同じ会社で働き続けることはありません。
そのため、環境の変化に対応する能力が低い人にとっては、勤め先がコロコロ変わる派遣社員はしんどい労働環境となってしまうでしょう。

派遣エンジニアの良い点

ここまで派遣エンジニアがなぜ「やめとけ」 と言われるのかを説明しました。
しかし派遣エンジニア特有の良い点もあるのでここから紹介していきます。
実際に、派遣という形態で長期的に満足して働き続ける人はたくさんいます。
派遣エンジニアの働き方が気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。
  • 未経験でも様々な種類の実務経験を積みやすい
  • 賃金格差がなくなっている
  • 給料は一概に低くない
  • 色々な会社を経験でき、柔軟なキャリアチェンジが出来るようになる
  • 正社員でも安定しているとは言われなくなってきた
それぞれについて以下で詳しく解説します。

未経験でも様々な種類の実務経験を積みやすい

派遣エンジニアは、未経験者に対しても門戸が広く、多くの募集があります。
また、正社員と異なり、一つの会社に縛られることなく、様々なプロジェクトに関わることができるでしょう。
スキルや経験が合致すれば、サーバー監視、プロダクトのテスト、データ入力など豊富な業務に携わることができますし、条件次第では、大手企業での就業も期待でき、キャリアにもプラスになります。
特に、仕事をしながらプライベートの時間で勉強し、スキルアップを図る方法は、未経験者や若年層にとって取り組みやすいです。
働く場所や時間、期間も自らのライフスタイルに合わせられ、実務経験を積みながらキャリアアップを目指せるのは派遣エンジニアならではのメリットです。

賃金格差がなくなっている

最近では、国が法律で正社員と非正社員間の不合理な待遇差を禁止することで、賃金格差の解消に向けた大きな一歩を踏み出しています。
実際、2020年4月1日から施行された労働者派遣法とパートタイム・有期雇用労働法の改正により、派遣労働者、短時間労働者、有期雇用労働者への不合理な待遇差別が禁止されました。
派遣エンジニアであっても、正社員と同等の業務を行う限り、同等の待遇を受ける権利が保障されています。
この原則の適用により、派遣社員にとって仕事のモチベーションアップや、雇用形態の選択肢が増えるなどのメリットを得られます。
また、企業にとっても人材確保や派遣社員の生産性向上を期待できるでしょう。
派遣エンジニアは労働市場における平等性が高まっており、十分に魅力的な働き方になっていると言えます。

給料は一概に低くない

派遣といえば 「給料が低い」というイメージが先行しがちです。
しかし派遣ITエンジニアについてはそうとも言い切れません。
派遣エンジニアは平均的に時給2000円ほどとされており、これは他の一般的な派遣よりも高水準です。
この時給で仮に一年間フルで働けば一般的な全職種の正社員と実はそれほど給与は変わりません。
エンジニアはそれだけ専門性が必要とされ、現在IT人材が不足していることからこのような結果になっているのです。
さらに、派遣エンジニアは残業が少ない、もしくは発生しないことがほとんどです。
このため、安定した時間でしっかり収入があります。
家庭と両立したい人などにはおすすめの働き方です。

色々な会社を経験でき、柔軟なキャリアチェンジが出来るようになる

また、派遣元からさまざまな企業を紹介される派遣エンジニアは、その分さまざまな企業で経験を積むこともできます。
特定のプロジェクトに固執することなく、 さまざまな仕事をすることができるでしょう。

正社員でも安定しているとは言われなくなってきた

そもそも正社員としての働き方も終身雇用が崩壊しつつある中で、 完璧に安定しているとは言い切れません。
一般的に、正社員と派遣で比較した場合には、 正社員の方が終身雇用で安定していると考えられやすいですが、正社員もリストラや解雇される可能性 があります。
そうすると、一概に派遣だから不安定だというのも誤りだと言えるでしょう。

まとめ

このように派遣エンジニアはその性質上しばしば 「やめとけ」 「ブラック」 などネガティブなイメージで捉えられることが多いです。
そして、実際そういった指摘が正しい面もあることは否めないでしょう。
しかし法改正などを通じて少しずつ環境がよくなっている面もあります。
派遣エンジニアならではの利点もあることがこの記事でお分かりいただけたのではないかと思います。
派遣エンジニアとしてのキャリアを積むことは、多くの方にとって魅力的な選択肢です。
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また、神奈川県横浜市中区では、同じ職種で時給1,800円、東京都中央区では時給2,000円と、経験に応じた高時給が期待できます(2024年5月時点の情報)。
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