COLUMNITコーディネータの試験とは?対策や難易度をくわしく解説!

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ITコーディネータの試験とは?対策や難易度をくわしく解説!

ITコーディネータ
「ITコーディネータ試験の難易度は高い?」
「効率的にITコーディネータの勉強をするには?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
  • ITコーディネータについて
  • ITコーディネータの資格を取得するメリット
  • ITコーディネータの試験対策
の順番に解説していきます。
ITコーディネータ資格は、これからのDX時代においてITサービスを活用していける人材を育てる役割を果たしています。
ITコーディネータ試験に合格し、ケース研修を修了することで、ITコーディネータの資格認定が受けられます。
これからITコーディネータ試験を受けようと考えている人や、試験の詳細について知りたい人には役立つ記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

ITコーディネータについて

まずは、これからの時代に活躍するITコーディネータについて、理解を深めていきましょう。

ITコーディネータの仕事内容

ITコーディネータは、ITと経営の知識を用いて、経営に貢献できるITサービスの活用を支援します。
ITコーディネータの主たる価値は、「IT」という技術的な側面の支援で終わるのではなく、「経営の支援」までサポートすることと言えます。
企業内でITコーディネータとして活動する場合、自社のIT導入支援やIT推進などが主な業務内容です。
システム面と経営面の両方から企業をサポートし、的確な経営戦略による売上向上実現へ導きます。

経済産業省が推進している

近年、IT人材の不足が懸念されていることから、ITコーディネータ資格は経済産業省が推進している資格の一つです。
特に、中小企業などでは「IT導入に積極的に力を入れていきたいが、ITに詳しい人材が見つからない」という課題を抱える経営者は少なくありません。
国が資格取得を推進することで、ITによって経営をサポートできるITコーディネータを大幅に増やそうとしています。

AI時代におけるITコーディネータの役割

令和5年版情報通信白書によると、2022年の日本におけるAIシステムの市場規模は、支出額ベースで3,883億6,700万円(前年比35.5%増)となっており、2027年には1兆1,000億円を超えることが予想されています。
これらに伴い、近年、AIがさまざまなサービスに活用され始めています。
例えば、チャットボットによる自動返答、アンケートの自動振り分け、セキュリティ対策、通訳・翻訳などのサービスです。
また、令和4年6月総務省の資料によると、民間企業や自治体において、チャットボットやコールセンターのAI化がされており、導入が進んでいます。
ITコーディネータには、このような新しいテクノロジーによるイノベーションを推進していくことが期待されるのです。
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ITコーディネータの資格を取得するメリット

ITコーディネータは、これからを生きる会社がITを活用して経営戦略を練っていくために、必要な存在と考えられます。
ここからは、ITコーディネータの資格を取得するメリットを、3つ紹介していきます。
ITコーディネータ試験の受験に迷いがある人は、これから紹介する重要なメリットを確認してみましょう。
【ITコーディネータの資格を取得するメリット】
・実践的なIT知識・スキルが身につく
・経営の視点や考え方を学べる
・転職が有利になる

実践的なIT知識・スキルが身につく

ITコーディネータの資格認定のためには試験の合格とケース研修の修了が必要です。
試験勉強や研修の受講によって、ITを活用していくための実践的な知識とスキルが身につきます。
経営の知識を併せて学ぶことにより、IT経営で求められるノウハウを習得することができます。
ITと経営の知識を持つことで、あらゆる業種で役立つスキルを身につけられるでしょう。

経営者の視点や考え方を学べる

ほかのIT系の資格と大きく異なるのが、経営についても学ぶ必要があるという点です。
経営で必要となる、目標を見据える戦略的思考を習得できます。
試験合格後の研修中に、目標設定やターゲティングに関する戦略的な考え方が身につけられるでしょう。

転職が有利になる

ITコーディネータ資格の認定を受けていることで、IT知識やスキルがあることの証明になります。
ITサービスを経営に活用できるスキルを証明することで、転職時に有利になる場合があります。
また、ITコーディネータ試験のために勉強したという、学習意欲や向上心のアピールにもつながるでしょう。

ITコーディネータの試験について

ITコーディネータ試験の受験や制度には、いくつかルールがあります。
ここからは、ITコーディネータの試験概要や難易度、認定制度について詳しく紹介していきます。
受験を考えられている方は、ぜひ一度ご確認ください。

試験概要

ITコーディネータ試験は、受験資格の制限がなく、誰でも受験できます。
試験は年に2回行われるため、受験機会の多い試験です。
コンピューターを使ったCBT方式の試験で、全国約300ヵ所ある試験会場から選択できます。
実際に受験する前に、以下の試験概要をチェックしておきましょう。
出題範囲 PGLIT(経営推進プロセスガイドライン)全体・PGLのIT経営共通領域
※選択問題は、経営系か情報系か選択
問題数 100問(うち必須60問、選択40問)
必須問題(60問) PGL全体の領域から出題される基本問題(40問)
PGLのIT経営共通領域から出題の応用問題(20問)
選択問題(40問) 経営系問題(経営戦略・業務改革・IT戦略) 情報系問題(IT戦略・IT利活用)
※どちらかを選択
申し込み方法
  1. ITC+メンバーIDを取得する
  2. CBTSのマイページアカウントIDを作成する
  3. メールアドレスを登録する
  4. 必須項目を入力する
  5. 受講者My Pageから受験予約する
(参照:ITコーディネータ試験の申込方法|特定非営利活動法人ITコーディネータ協会)
支払方法 クレジットカードかコンビニ支払い
試験方式 CBT方式 (コンピューターを使用する試験方法)
試験時間 120分
試験日程 年間2回(各期間1ヵ月程度)
受験費用 19,800円(税込)

試験科目とその内容

ITコーディネータ試験の試験科目を以下の表にまとめました。
試験分野 詳細
総論 ・IT経営とは
・IT経営を支える人財と役割
・IT経営の推進方法
IT経営認識領域 ・全体概要
・変革認識プロセス
・変革マネジメントプロセス
・持続的成長認識プロセス
IT経営実現領域 ・全体概要
・経営戦略プロセス
・業務改革プロセス
・IT戦略プロセス
・IT利活用プロセス
IT経営共通領域 ・プロジェクトマネジメント
・モニタリング&コントロール
・コミュニケーション
対象資格を保有している人のみが受験可能な「専門スキル特別認定試験」の場合、出題範囲は以下の通りです。
  • 基本問題:IT経営推進プロセスガイドライン全体に関する基本問題
  • 応用問題:IT経営共通領域に関する応用問題

資格の更新

ITコーディネータ試験に合格し、ケース研修を修了すると、ITコーディネータ資格を取得できます。
取得した資格は、毎年更新が必要なため、注意しましょう。
更新が必要な理由は、資格取得者がITコーディネータとして一定水準の知識・スキルを持ち続けることで、資格の品質を維持するためです。
このため、資格を取得したあとも、継続学習を心がける必要があります。
ITコーディネータ協会が規定する実績力ポイント獲得や実務活動報告書の作成など、条件を満たすことで資格の更新が可能です。

試験の合格率

ITコーディネータ試験の過去5年分の合格率を以下の表にまとめました。
年度 応募者数 受験者数 合格者数 合格率(応募者数に対して) 合格率(合格者数に対して)
第44回試験 (令和3年01/20~02/22) 252名 248名 163名 64.7% 65.7%
第43回試験 (令和2年09/10~10/12) 197名 194名 113名 57.4% 58.2%
第41回試験 (令和2年02/05~03/09) 228名 223名 162名 71.1% 72.6%
第40回試験 (令和元年08/01~09/09) 239名 231名 128名 53.6% 55.4%
第39回試験 (平成31年02/11~03/14) 263名 256名 163名 62.0% 63.7%
年度によって変動しますが、合格率は55%〜70%程度です。
ただ、30%程度の合格率に落ち込んだ年度(第32回試験)もあるので、しっかりと対策することが重要です。

試験の難易度

ITコーディネータ試験は合格率が高く、難易度はそれほど高くはないと言われています。
受験者数に対しての合格率は、2024年7月時点で掲載されている過去18回の平均だと61.2%で、半数以上の人が合格している試験です。
合格ラインは発表されていないものの、一般的に約60〜80%が合格ラインだと言われています。
難易度がそれほど高くない一因として、試験範囲が明確であり、受験者が試験対策をしやすい点が挙げられます。
公式テキストや問題集が充実しており、しっかりとした準備をすれば合格への道筋が見えやすい試験です。
また、ITコーディネータとしての実務経験や知識がある受験者にとっては、比較的取り組みやすい内容になっています。
ただ、年度によっては合格率が30%程度にとどまる試験もあるので、しっかりと対策を行うことが大切です。

ITコーディネータの試験対策について

そこまで難易度は高くないと言われるITコーディネータ試験ですが、試験前にはしっかりと対策することが大切です。
効果的な試験対策について、以下で紹介します。
受験を予定している人は、チェックしておきましょう。

過去問はある?おすすめの勉強方法

ITコーディネータ試験には過去問が存在しません。
日々新たな知識や技術が生まれるIT分野だからこそ、最新の情報を得て学ぶことが求められます。
過去問はありませんが、サンプル問題が用意されているため、受験前に挑戦してみましょう。
また、ITコーディネータ協会が認定している書籍や試験ガイドブックなどを活用できます。
独学が苦手な人には、試験対策講座もおすすめです。以下で、認定研修機関が開催している試験対策講座を紹介します。
  • I&Iファーム東京:ITC試験向け試験対策講座
  • IKC人材開発センター:ITC試験対策講座
  • NPO法人 ITC-METRO:ITC試験・受験者説明会、ITC試験対策セミナー
  • 一般社団法人 ITC-Pro中部:ITC資格取得「試験対策講座」
  • 情報戦略モデル研究所(ISM研):ITC試験対策コースのご案内
  • NPO法人 東京ITコーディネータ:2024年度第1期ケース研修受講者向け「ITコーディネータ試験対策講座」
  • NPO法人 日本情報システム・コンサルタント協会(JISCA):ITC試験受験対策講座
  • パーソル総合研究所: ITC資格試験対策

合格に必要な勉強時間

ITコーディネータ試験合格に必要な勉強時間は、おおよそ50時間以上が目安です。
IT業界での実務経験の有無などによって人それぞれ知識量が異なりますが、一般的な知識量だと必要な勉強時間は50時間前後と言えます。
ITコーディネータ試験は、120分で100問を回答しなければならず、回答スピードが重要です。
そのため、テキストや書籍を読み込み覚えていくことが必要です。

ITコーディネータ試験に関するよくある質問

ここでは、ITコーディネータ試験に関するよくある質問に回答します。

合格基準点は?

公式サイトで合格基準点は公開されていません。
一般的に約60〜80%が合格ラインと言われていますが、試験の難易度や受験者数等によって基準が変動する可能性があります。

受験資格はある?

ITコーディネータ試験は誰でも受験可能です。
専門スキル特別認定試験に関しては、以下の資格を保有している人が対象となるので、注意してください。
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 中小企業診断士
  • 技術士3資格(経営工学部門、情報工学部門、総合技術監理部門)
  • 経営品質協議会認定セルフアセッサー
  • ITストラテジスト
  • PMP など
対象資格の詳細は、資格一覧表を参考にしてください。

ITコーディネータ試験の合格者の職業と年収

それでは、ITコーディネータの資格をどのように活かせるのでしょうか?
以下で、ITコーディネータが活かせる職業と年収を表にまとめました。
職業 概要 年収
システムエンジニア システム開発における上流工程を担当する 497万円
ITコンサルタント 経営課題等に対してITを活用して解決を目指す 647万円
プロジェクトマネージャー プロジェクトのマネジメントを担当する 645万円
ITアーキテクト システム基盤の設計などを行う 747万円
ITコーディネータの資格保有者の中には、フリーランスとして活躍している人も少なくありません。

ITコーディネータに向いている人

ITコーディネータに向いている人の特徴は、以下の通りです。
  • 技術と経営の両面に強い興味がある人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • 問題解決能力に優れている人
  • プロジェクトマネジメントスキルがある人
  • リーダーシップがある人
  • 分析力が高い人
ITコーディネータは、クライアントが抱えている課題をヒアリングする必要があるので、高いコミュニケーション能力が求められます。
さらに、マネジメントスキルやリーダーシップがあると、対応できる業務の幅が広がるため、年収アップも期待できるでしょう。

まとめ

ITコーディネータの試験は、業務に役立つ知識を得られる試験です。
また、資格認定には試験の合格に加えて研修を修了する必要があるため、資格認定までの過程で知識とスキルを確実に身につけられます。
ITを経営に活かすスキルを身につけたい人や、資格を取って転職に活かしたい人に最適でしょう。
資格取得を目指す以外にも、未経験から実務経験を積み収入アップを目指すことも可能でしょう。
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