COLUMN情報処理安全確保支援士を取得するメリットは?注意点も合わせて解説

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情報処理安全確保支援士を取得するメリットは?注意点も合わせて解説

情報処理安全確保支援士
最近では各企業の情報セキュリティに対する意識が高まり、セキュリティ対策に関して専門性を有している人材の需要が高まっています。
そのような中で情報セキュリティに関する国家資格である「情報処理安全確保支援士」に興味を持ち、取得することを検討している方も多いのではないでしょうか。
  • 「情報処理安全確保支援士を取得すればどのようなことに役立つのだろうか?」
  • 「情報処理安全確保支援士をどうすれば取得できるのかわからない」
本記事では、そんな疑問に役立つ内容を
・情報処理安全確保支援士とは?
・資格を取得するメリット
・取得後の注意点
・試験の概要、難易度
・学習時間の目安
の順番にご紹介していきます。
情報セキュリティに関する仕事に就きたいとお考えの方、この資格に興味がある方には役立つ記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

情報処理安全確保支援士とは?

情報処理安全確保支援士とは?

情報処理安全確保支援士とは国家資格の一つで、有することでサイバーセキュリティの対策に関して高度な知識を持つことを証明します。
一般的に情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティに関して必要な情報のアドバイスをするとともに、その施策を評価・分析し、改善のアドバイスを行います。

情報処理安全確保支援士の将来性

情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティに関する知識を有していることが認められる資格のため今後も多くの人に必要とされることが予想されます。
サイバーセキュリティに関する業務に従事している多くの人たちが情報処理安全確保支援士に登録しており、登録者の数は2022年4月1日時点で2万人以上になりました。
また、情報処理安全確保支援士は経済産業省が認める国家資格の一つです。
サイバー攻撃に対する専門家として警視庁のような行政組織においても応募条件の一つとして掲載されています。

情報処理安全確保支援士が必置化される可能性もある

現在では、情報セキュリティ部門に情報処理安全確保支援士を必置化することは義務付けられていません。
しかし、経済産業省の施策として情報処理安全確保支援士を定着させるために必置化が提言されており、今後必置化される可能性は十分にあると考えられます。

情報処理安全確保士を取得するメリット

情報処理安全確保支援士として活動することができる

情報処理安全確保支援士は、試験合格後に登録をすれば「士業」として「情報処理安全確保支援士」を名乗ることができます。
そのため専門家として独立開業したり、スペシャリストとして企業に就職したりすることも可能です。

情報セキュリティに関する知識を有する証明になる

情報処理安全確保士を取得することで、「情報セキュリティに関する知識」を証明することができます。
そのため、情報セキュリティに関わる職種への就職・転職を有利に進めることが可能です。
国家資格であることも相まって、情報セキュリティ関係の業務に就きたいと考えている方は取得しておいても損はないでしょう。
業界や分野に関わらず幅広く活躍できることが期待できます。

情報セキュリティに関わる仕事に役立つ

情報セキュリティに関わる仕事は数多くあります。
一般企業や組織、警察や防衛省など幅広い領域での活躍が期待できますが、今回はエンジニア職にどのように活かせるのか、解説します。

セキュリティエンジニアの場合

セキュリティエンジニアは、サーバーに関わる業務や情報セキュリティなどを専門としているエンジニアです。
情報処理安全確保支援士試験に向けて学習を進める中で、情報セキュリティ管理やセキュリティの実装技術など「セキュリティに関する高度な知識」を得ることができます。
セキュリティの設計や構築、運用、保守を行う場面で、情報処理安全確保士で得た知識を活かすことができるでしょう。

ネットワークエンジニアの場合

ネットワーク関係に関する設計や運用、保守を担当するエンジニアであるネットワークエンジニアの場合も情報処理安全確保士で得た知識を役立てることができます。
ネットワークを設計や構築、運用、保守する際にはセキュリティに関する知識が必要なため、この資格を持っておくとさらに活躍できる場が広がり、引く手数多の人材となるでしょう。

情報処理安全確保士を取得後の注意点

情報処理安全確保支援士は、試験に合格したらすぐに「情報処理安全確保支援士」として活躍できるわけではありません。
登録の手続きや更新のために研修を受ける必要があります。
それでは、情報処理安全確保支援士を取得した後の注意点についていくつか解説します。

登録後は資格の維持に費用がかかる

情報処理安全確保支援士の資格を取得した後は、登録とその資格の維持に費用がかかるため注意が必要です。
具体的には、まず「支援士登録」に19,700円の費用がかかります。
もし仮に登録費用を払い登録しなければ、「情報処理安全確保支援士」を名乗ることができません。
また、「情報処理安全確保支援士」として登録を維持するためには、年に一回のオンライン講義と3年に一度の集合研修を受講する義務があります。
1年に一回オンライン講義で2万円、また集合研修で8万円と3年でおよそ14万円の維持費用が必要です。
このように資格の登録や維持に費用がかかることは事前に理解しておく必要があります。

登録しないと失効するのか?

資格の登録に期限は設けられておらず、登録しないと試験の合格が無効となることもありません。
しかし、「情報処理安全確保支援士」という肩書きは登録した後でないと使用できず、登録せずにこの名称を用いると、30万円以下の罰金となる点に留意が必要です。

登録後は3年ごとに更新する必要がある

「情報処理安全確保支援士」は登録すると3年ごとの更新が義務付けられています。
また、2020年5月15日に情報処理安全確保支援士の質を担保するために更新制度が導入されました。
更新するためには、オンライン研修に加え以下の講習から1つ選択し、実習を行います。
講習の名称 概要 標準学習時間 講習受講料(非課税)
IPAが行う実践講習 実践講習A インシデント対応などのグループ演習を通じ、登録情報処理安全確保支援士として求められる情報セキュリティ実践のための具体的な技術や手法を習得します。 7時間(個人学習2時間+当日5時間) 8万円
実践講習B 新規事業を立ち上げる際のセキュリティ上の助言をグループで検討するという演習を通じ、業務で利用するための実践的な能力を習得します。 10時間(個人学習3時間+当日7時間) 8万円
業界別サイバーレジリエンス強化演習(CyberREX) 企業等の部門責任者層が、業界別の仮想企業におけるシナリオによる演習を通じ、サイバーリスクへの対応力・回復力の強化について学びます。 14時間(2日間) 8万円※
制御システム向けサイバーセキュリティ演習(CyberSTIX) 企業等の制御システムに関わる実務者が、模擬システムにおけるサイバー攻撃や防御の演習を通じ、制御システムのセキュリティについてより深く実践的に学びます。 11時間(1.5日間) 16万円※
民間事業者等が行う特定講習 IPAが行う実践講習と同等以上の効果を有すると認められる講習として、経済産業省大臣が認める講習です。 講習により異なります。
毎年のオンライン研修と3年ごとの集合研修を受け、常に知識やスキルを磨き続けられるというメリットはありますが更新を忘れないよう注意する必要があります。

情報処理安全確保士試験の概要

情報処理安全確保士の試験概要

ここからは、情報処理安全確保支援士の試験概要について解説します。
情報処理安全確保士の試験概要は下記の通りです。
試験実施時期 毎年4月、10月
試験概要 サイバーセキュリティ対策を推進する人材のための国家資格
資格認定機関 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
受験資格 なし
試験形式 午前Ⅰ、Ⅱ(四肢択一式) 午後Ⅰ、Ⅱ(記述式)
・午前Ⅰは9:30〜10:20(50分)
・午前Ⅱは10:50〜11:30(40分)
・午後Ⅰは12:30〜14:00(90分)
・午後Ⅱは14:30〜16:30(120分)

情報処理安全確保士試験の難易度

情報処理安全確保支援士は、IPAが行う試験の中でも最高レベルのレベル4となっており、令和に入ってから合格率は19〜20%ほどで推移しています。

情報処理安全確保士試験の学習時間目安

未経験でセキュリティ対策に関する知識がない場合、情報処理安全確保士試験の学習時間目安としては、500時間程度とされています。
また普段エンジニアとして勤務していたり、他のIT系資格でセキュリティに関して学習したりしたことがある場合は200時間程度とされています。

情報処理安全確保士試験に向けた学習方法

書籍を活用する

書籍を活用することで学習にかかる費用を抑えることができます。
最近では図解されているなどわかりやすい書籍も多数出版されており「情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2022年版」は図解されており初学者にはおすすめです。
また通学や通勤時間が長い場合は、「(全文PDF・単語帳アプリ付)徹底攻略 情報処理安全確保支援士教科書 令和4年度」がおすすめです。
スマートフォンで学べる無料の単語帳をダウンロードできるのが特徴で、通学や通勤時間を学習時間に充てることができます。

通信講座を受講する

情報処理安全確保支援士には、合格のための通信講座が多数あります。
コストや時間、サポート体制などを比較して自分に合うものを選ぶようにしましょう。
通信講座の場合、最新情報や合格のためのノウハウ、わからないことへの質問体制が整っているところが多いため、初学者でも安心です。

過去問を解く

過去問を解くことで出題される問題の傾向に慣れるだけでなく、時間配分を上手くできるようになります。
「IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」の公式HPでは平成21年からの過去の問題と回答が掲載されているため、過去数年に遡り問題を解いてみましょう。
公開されているHPの問題の回答だけではわかりにくいと感じる人は、過去問をわかりやすく解説している書籍を活用してみると良いでしょう。

まとめ

今回は、情報処理安全確保支援士に関する解説を行いました。
難易度の高い試験なので、入念な準備をしておくことが合格へのカギとなります。
『テクノジョブサーチ』では、情報処理安全確保支援士の資格取得に向けた経験を積むことができる、未経験からでも応募可能なICT支援員やキッティングの仕事を多数掲載しています。
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