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ITストラテジストの試験とは?取得するメリット5つを解説!

ITストラテジスト
IT業界で働く上で、スキルアップや今後のキャリアを考えることはとても重要です。
実際に現場で運用をするだけでなく、より上流工程で戦略立案や運用設計・管理をしたいという方もいるのではないでしょうか。
  • 「戦略立案に必要な知識・スキルは?」
  • 「ITストラテジストに合格するためにはどうすればいいの?」
という疑問をお持ちになるかもしれません。
本記事では、そんな疑問点に役立つ内容を、
・ITストラテジストの概要、仕事内容
・ITストラテジスト資格取得によるメリット
・ITストラテジストの試験と勉強方法
の順番に解説していきます。
IT担当者としてより上位の工程に携わりたい、ITストラテジストについて詳しく知りたいという方には役立つ記事になっています。
ぜひ最後までご覧ください。

ITストラテジストとは?

ITストラテジストの概要

ITストラテジストとは、システム開発の上流工程において、企業の事業戦略や計画の段階から関わるシステムエンジニアの職種の一つです。
IT戦略だけでなく経営戦略について、立案・実行するための専門的な知識・スキルが求められます。
ITストラテジストは戦略家の名の通り、経営者目線に立ったIT戦略の立案・実行が主な業務の一つです。

ITストラテジスト資格の試験について

ITストラテジストの資格を取るには、専門の試験に合格する必要があります。
かつて、ITストラテジスト試験はプロジェクトマネージャ試験、システム監査技術者と併せて、現在の情報技術者資格のレベル4よりさらに上位のレベル5に設定されていました。
レベル5の廃止とともにレベル4に分類されていますが、IT業界内では現在のレベル4よりも上位に設定されている資格というイメージが根付いているため、他の情報技術者資格よりも難易度が高いという共通認識が持たれているといえます。

ITストラテジストの主な仕事内容

ITストラテジストの主な業務について、一つずつ紹介していきます。

ITを活用した経営戦略の提案

既存の事業を分析・調査した結果から課題を抽出し、業界全体の調査から新たなビジネスモデルや最適なIT戦略を策定します。
ITストラテジストには、実際にIT技術を運用することよりも、IT技術を最適に活用するための事業化計画を策定し、会社の経営層に対してIT戦略を提案するスキルが求められます。

事業のシステム化計画の作成

策定した戦略に対し、実現に必要となる基盤の構成(アーキテクチャ)を検討します。
加えて、運用や評価の方針、品質の統制、リスクヘッジや災害時の復旧計画などの中長期計画も策定します。
ITシステムの導入から実際の運用にかけて、工程のほぼ全てにおいて検討すべき事案を洗い出します。
長期的に事業を見定めるビジネス視点を持って業務を遂行していきます。

モニタリングとコントロール

戦略実行に関わる業務それぞれについて、分析とプロセスの再設計、発生するコストや導入のスケジュールを検討します。
導入したシステムのモニタリングとコントロールを実施し、全体の管理やリスクの分析とトラブルなどの対処、プロジェクトの評価や運用の推進なども業務に含まれています。
上述の経営層だけでなく、システムを開発する担当者、実際に運用するシステムエンジニアなどの社員たち、人のコントロールも必要なスキルです。

最新のIT技術の情報収集

ITストラテジストにとって、日々変化していくIT業界に関する知識・スキルを習得していくことも重要な業務の一つです。
ソフトウェアやハードウェア、プログラムだけでなく、知的財産や法律に関する知識をアップデートしていくことが求められます。
自分で調べて知識を深めていくことのほか、社内外のエンジニアやITに関わる方々と繋がりを持ち、アンテナを広く張っておく必要があると言えるでしょう。

【ITストラテジストは役に立たない?】取得する5つのメリット

自分の経歴に箔がつく

IT技術の普及に伴い、IT業界の会社だけでなく、他の業界にも経営戦略の中にIT技術を取り入れる企業が増加しています。
そのような状況の中で、取得した資格、習得した知識・スキルを活用して企業の中でより中核的なIT業務に携わるキャリアのほか、自身の得意分野でより専門的に知識・スキルを活用していくキャリアを築くことが可能です。
ITストラテジストとして活躍するモデルケースがまだ少ないため、自分の希望に併せてキャリアを形成していくことが可能です。

コンサル能力が向上する

ITストラテジストにとって、IT技術に対する深い知識やその活用方法を検討する能力は重要です。
戦略策定のための企業分析や、改善が必要な業務の分析スキルも求められます。
また、分析の際には業務担当者へのヒアリングが発生し、立案した戦略を経営層に提案する際にはプレゼンテーションが必須となるなど、高いコミュニケーションスキルも求められます。

年収などの待遇に有利に働く

ITストラテジスト資格を取得していると、資格手当や報奨金を受給できる可能性があるほか、資格を取得するほど業務に対して強い意識を持っているというイメージを相手に与えることもできます。

転職活動が有利になる

ITストラテジスト資格を取得していると、日本ITストラテジスト協会に入会することができ、他のシステムエンジニアの方々との交流を通して、自分の知識・スキルを高めることが可能です。
IT業界の知識・スキルについて理解を深めるだけでなく、転職活動に活かすこともできるでしょう。

国家資格試験の一部が免除になる

ITストラテジスト資格を取得していると、中小企業診断士や弁理士など、違う国家資格の試験が一部免除となるケースがあります。
難易度の高い資格の取得を検討している方にとって、受験の際の負担を軽減できることはメリットの一つと言えるでしょう。

ITストラテジストの試験について

ITストラテジストの試験とは

ITストラテジスト試験は1日の中で行われる、午前1、午前2、午後1、午後2の試験全てで基準点を超える必要があります。
午前1は50分で30問、午前2は40分で25問の問題を選択式で解答していく形式です。
午後1は90分で4問から2問を選択して記述形式で回答する試験、午後2は120分で3問から1問を選択して論文課題を執筆する形式です。
論文はランク付けされ、Aランクのみが合格です。

ITストラテジストの試験日

ITストラテジスト試験の申込期間は例年1月〜2月に設定されています。
受験料は税込7,500円です。
申込方法はインターネットからのみ可能です。
試験会場は全国の主要都市に設けられます。

ITストラテジストの試験の難易度

ITストラテジストとしての知識・スキルを証明する資格は高度情報処理技術者試験の一つで、スキルのレベルが4に設定されている難関資格です。
令和2年度の合格率は15%ほどと、数字にも表れています。
しかし、合格者の中には既にITストラテジストよりも下位の資格を取得している、現場での経験を積んでいるなど、合格のための地盤が形成されている場合が多いため、実際の試験の難易度は非常に高いと推測されます。
ITストラテジスト資格の試験は問題数も多く、出題範囲が広い上に高度で専門的な知識が求められることが、難易度を押し上げている要因の一つです。

ITストラテジストの試験に合格するには

【独学でできる】ITストラテジストの勉強方法

勉強方法として過去問の演習は全てに共通してオススメできるものですが、試験によって対策を変えるなどの注意が必要です。
午前1は応用情報技術者試験や基本情報技術者試験と共通しています。
記述形式の試験では問題文の読解、論文課題では経営者に伝わることを想定した論理的文章作成の演習を重ねるなどが有効です。
ITストラテジスト資格取得のためには現場で習得したスキルが重要です。
資格取得をスタートにするのではなく、資格取得によってスキルを証明するために、実務経験を積んでいくことを重要視することがおすすめです。
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【おすすめ】過去問を活用した勉強法

ITストラテジストはシステム開発の上流工程での知識・スキルを求められるため、マネジメント系、ストラテジ系からの出題が多い傾向にあります。
午後試験においては、長文を読んで出題の意図や解答に必要な要素を文章内から読み解くなどの読解力や、論文作成のための文章作成能力が求められます。
そのため、参考書を活用した知識の習得だけでなく、過去問を活用してさまざまな事例への対応力を習得していくこともおすすめです。

資格を取得するまでの勉強時間

ITストラテジスト資格を取得するために必要な勉強時間の目安は100〜200時間程度と言われています。
ITストラテジストよりも下位の資格を取得している場合や、既にシステムエンジニアとして業務している場合でも、相応の勉強時間が必要となります。

ITストラテジストの求人例

ITストラテジストが活躍できる企業として挙げられるのは、システムインテグレーター企業だけでなく、システムインテグレーター企業にシステム開発を発注する事業会社もあります。
自社にどのようなシステムが必要なのか、今後の戦略のためにどのようなシステムを開発するのかを検討する際にITストラテジストは活躍できるため、事業会社のITシステム部門でも求められる人材であると言えます。
また、ITコンサルティングファームのように、新たなシステムの開発・導入を検討している事業会社に対して、どのようなシステムが最適であるかをコンサルティングするITコンサルタントも、ITストラテジストとしての知識・スキルを活用することができる職種です。

まとめ

本記事では、ITストラテジストについて、概要やメリット、試験と勉強方法について紹介してきました。
難易度は高いですが、その分将来性や有用性も十分にある資格であると言えます。
資格取得と、その先にある業務遂行のためには、実際の業務の経験が重要です。
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