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RPAエンジニアを目指すのに必要なスキルとは?仕事内容や勉強方法を紹介

RPAエンジニア
多くの企業が生産性の向上や働き方改革に乗り出す動きの中、RPAエンジニアの需要が順調に伸びています。
では、RPAエンジニアとは具体的にどういった仕事なのでしょうか。
また、RPAエンジニアになるためにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。
この記事では、RPAエンジニアの仕事内容を解説し、必要な知識やスキルにあわせて未経験でもRPAエンジニアを目指す方法や勉強方法を解説していきます。

RPAエンジニアの仕事内容

RPAエンジニアの仕事の流れ内容は、大きく分けて以下の4つに分けられます。
  • ヒアリング・自動化の要件定義
  • 自動化シナリオ設計
  • RPAロボットの制作
  • リリース・運用・保守

ヒアリング・自動化の要件定義

「ヒアリング・自動化の要件定義」では、クライアントにヒアリング、つまり調査をおこない、RPAとして切り出せる業務を洗い出して自動化の要件定義をおこないます。
また、ヒアリングを通じて見出した業務改善点の提案や、経営課題の解決提案をおこなう場合もあります。

自動化シナリオ設計

要件定義ができたら、次に自動化する業務のシナリオ設計をおこないます。
シナリオとは、RPAに実行してほしい処理の流れを可視化したものです。RPA化においては、ある程度のフローや型がある業務において自動化を図ることで業務の生産性を向上させることが可能となります。
そのため、人事業務や総務処理などの定型的な業務における作業のRPA化が優先順位としては高くなります。

RPAロボットの制作

自動化する具体的な業務内容のシナリオ設計ができたら、RPAロボットを制作していきます。
ロボット制作にはRPA開発ツールを使用しますが、シナリオの設計段階からRPA開発ツールを使用することもあります。
エラーが多かったり動作が安定しなかったりすると、せっかくRPAツールを導入しても結局使われなくなってしまうため、クライアントの業務効率が実現できるよう、さまざまな場面を想定しながら運用パターンを検討し、RPA導入の成功確率を高めていきます。
自動化する具体的な業務内容のシナリオ設計ができたら、RPAロボットを制作していきます。
ロボット制作にはRPA開発ツールを使用しますが、シナリオの設計段階からRPA開発ツールを使用することもあります。
エラーが多かったり動作が安定しなかったりすると、せっかくRPAツールを導入しても結局使われなくなってしまうため、クライアントの業務効率が実現できるよう、さまざまな場面を想定しながら運用パターンを検討し、RPA導入の成功確率を高めていきます。

リリース・運用・保守

RPAロボットを開発したら、あとはリリース(公開)し、運用・保守段階に入ります。
ツールを公開する前後でRPAツールのユーザートレーニングや操作マニュアルの整備をおこなうなど、運用サポート業務も担当します。
また、RPAエンジニアの業務内容はRPAロボットを導入して終わりではありません。
どんなに緻密にシナリオ設計をしてもエラーや不具合は発生するものです。
APIなどの仕様変更や修正をおこなうことで、発生するエラーや不具合をスピーディーに解決することも重要な業務です。

RPAエンジニアに必要なスキルとは

では、RPAエンジニアとして活躍するためにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。

ITツールを操作するスキル

まず欠かせないのはITツールを操作するスキルです。
Microsoft社のExcelやAccess、VBAなどの操作スキルや経験があるとよいでしょう。
ExcelやAccessはさまざまな業務で利用するため、クライアントの業務においてこれらのツールがどのように活用されているかを理解する必要があります。
VBAは必須スキルではありませんが、RPAツールと似た動作が可能なため、知っておくと業務において非常に有益なスキルとなります。

クライアントへのコンサルティングスキル

RPAエンジニアにとって最も重要なスキルと言っても過言ではないのがコンサルティングスキルです。
このスキルがなければクライアントの業務分析ができません。
クライアントの業務の中に定型業務や類似業務を見つけ出し、RPA化のメリットを明確に提示する必要があります。
仮に自動化ができない業務や自動化しても効果が低い業務に対してRPAを適用しても、クライアントはRPA化の効果を感じることはできないでしょう。

RPAツールの選定・操作スキル

RPAツールとして一般的によく使われるのは、
  • • WinActor
  • • UiPath
  • • Blue Prism
  • • BizRobo!
などです。
これらRPAツールから適切なツールを選定するスキル、また選定したツールを操作するスキルも求められます。
ツール名 ツール特徴
WinActor(ウィンアクター) •NTTが提供する純国産RPAソフト
•サーバー型とデスクトップ型がある
•単純な業務の自動化に向いている
UiPath(ユーアイパス) ・米国「UiPath社」が提供するRPAソフト
・サーバー型とデスクトップ型がある
・機能が豊富
・SAP・Citrix・ターミナルの操作など自動化が難しい業務にも対応しやすい
Blue Prism(ブループリズム) ・英国に本社を置くRPAの老舗「Blue Prism社」が提供するRPAソフト
・サーバー型
・小構成価格が比較的安い
BizRobo!(ビズロボ) ・米国「Kofax社」のソフトウェアOEMに機能を追加したツール
・主な製品体系はデスクトップ型「BizRobo! Min」iとサーバー型「BizRobo! Basic」
・クラウド型「BizRobo! as a Service」というRPAツールも提供している
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WinActor(ウィンアクター)

WinActor(ウィンアクター)はNTTが提供するRPAソフトで、主要RPAツールの中では珍しい純国産のRPAツールです。
サーバー型の機能もありますが、デスクトップ型が多く採用されています。
比較的単純な業務の自動化に利用されることが多い傾向にあります。

UiPath(ユーアイパス)

UiPath(ユーアイパス)は、米国UiPath社が提供するRPAソフトです。
WinActorと同様サーバー型の機能もありますが、デスクトップ型が多く採用されています。
製品の機能が非常に豊富で、SAPやCitrix、ターミナルの操作など、自動化が難しい業務にも対応していることが特徴です。

Blue Prism(ブループリズム)

Blue Prism(ブループリズム)は、英国に本社を置くRPAの老舗Blue Prism社が提供するツールです。
サーバー型RPAツールでデスクトップ型は提供されていません。そのため最小構成価格が比較的安いのが特徴です。

BizRobo!(ビズロボ)

BizRobo!(ビズロボ)は、米国Kofax社のソフトウェアOEMに機能を追加したツールです。
ソフトバンク社が提供するSyncRoidなどのOEM製品もありますが、主な製品体系はデスクトップ型のBizRobo! Miniとサーバー型のBizRobo! Basicです。
また、BizRobo! as a Serviceというクラウド型のRPAツールの提供も開始しました。
RPAエンジニアはスキルのない未経験でもできる?

RPAエンジニアの採用事情

RPAエンジニアは近年需要が増加している職種ではありますが、まだまだ技術者が少ないのが実情です。
そのため、未経験からでもRPAエンジニアになることは可能です。
ただし、システム開発の分野で何らかの経験を持っていれば、それをアドバンテージとして活躍することができるでしょう。

RPAエンジニアのキャリアパス

前述の通り、RPAエンジニアはコンサルティングなどの上流工程から保守点検まで幅広い業務に関わります。
コンサルタントとしてRPA導入の上流工程で関わる場合は、プロジェクトマネージャーのようにクライアントやエンジニアとのやりとりを中心におこないます。
またエンジニアとして携わる場合は、プログラミングや言語スキルを使い、シナリオから設計・開発をおこなうなど、エンジニアとしてRPAスペシャリストになることが可能です。
このように幅広いスキルが必要となるため、これまでの経験やスキルを活かしやすい職種であるともいえるでしょう。

RPAエンジニアはプログラミング未経験でもなりやすい

RPAエンジニアはツールを使用するため、プログラミング知識を必要としません。(正確には、ローコード開発に位置しますが、0からのプログラミングが必要なわけではありません。)
そのため、他のITジャンルの中では挑戦しやすい業種です。
RPA自体が新しい技術なので、知識を学びながら経験を積んでも遅くはありません。
またExcelやWordなどの事務経験があれば、「どのような業務が自動化できるか」という点を想像しやすいです。
プログラミングやIT関連の知識がなくてもオフィスソフトの使用経験があれば、RPAは馴染みやすい業界といえます。

RPAエンジニアは幅広いスキルを活かせる

RPAエンジニアは、プロジェクトの入口であるコンサルティングから運用後の保守点検まで幅広い業務に携わります。
例えばコンサルティングでは、プロジェクトマネージャーのようなクライアントやエンジニアとのやりとりも業務のひとつです。
そして、設計・構築に入りエンジニアとして関わる際にはプログラミングや言語スキルを活かしてRPAスペシャリストになれます。
コンサルティングからエンジニアとしての技術まで幅広いスキルが必要なので、これまでの様々な経験を活かしやすいといえます。

RPAエンジニアになるための勉強方法

では、RPAエンジニアになるためにはどうような方法で勉強を進めればよいのでしょうか。
3つの方法をご紹介します。

講座やトレーニングを受講する

まずはRPAツールの講座やトレーニングを受講する方法です。
たとえば、UiPathが提供するUiPathアカデミーは無料のオンライントレーニングプラットフォームです。
開発・プログラミング未経験の基礎講座から開発上級者まで幅広くサポートしています。

資格試験を受ける

RPAエンジニアになるために必要な資格や条件はありませんが、技術を測る試験としては『RPA技術者検定』 があります。
WinActorを提供するNTTデータ株式会社が実施している検定で、RPAに関する専門的スキルを評価します。
資格ではないので必須ではありませんが、検定をクリアしていれば自身のスキルの証明にできるため、RPAエンジニアとして重宝される存在となるためには検定合格を目指すことをおすすめします。
その他、ITパスポートやFE(基本情報技術者)などの国家資格があります。
これらの資格を取得するための勉強は自身のIT知識全般の底上げにもつながるので、ぜひ受けてみましょう。

オンライン講座を自分で探す

RPAエンジニアになるためにはオンライン講座を受講する方法もあります。
先に紹介したUiPathアカデミーやUdemyはRPA初心者やプログラム未経験者も対象にしたRPA学習コースです。
UiPathのインストールやアクティベーションでロボット開発環境を整えたら、ロボット作成を通じアクティビティやセレクター・変数を理解します。
RPAツールの中にはIT知識がなくてもロボットが作れるツールも見受けられます。
しかし、ツールをより効率的に使いこなすには、IT知識や経験、プログラミングの基礎知識があったほうがよいことは間違いありません。
たとえ未経験からRPAエンジニアになれるとしても、決して無知な状態で臨むのではなく、ITの基礎知識やツール操作の経験を常に積み重ねる努力を怠らないようにしましょう。

RPAエンジニアはAccessやVBAの開発経験を活かしやすい

RPAエンジニアの仕事はAccessやVBAの開発経験やスキルを活かしやすい仕事です。
Accessはデータベース管理ソフト、VBAはExcel での処理を自動化するためのツールです。
AccessとVBAの詳細を確認しましょう。
ソフト名 ソフト特徴
Access ・Microsoftが提供するデータベース管理ソフト
・大量のデータを蓄積・管理できる
・大規模なデータを取得しやすくデータ分析に活用できる
VBA ・Microsoftがオフィスの拡張機能として提供するプログラミング言語
・Excel業務に用いられることが多い
・オフィスの機能を拡張して効率的な業務を実現する
OLEという仕組みを活用するなどすれば他のアプリケーションとの連携が可能ですが、自動化には限界があります。
その自動化できない部分はRPAツールを導入することで解消できます。
AccessやVBAはさまざまな業務で利用されるため、クライアントでの利用方法を知るためにも、AccessやVBAの開発経験があったほうがより詳細な業務分析につながるでしょう。

RPAエンジニアの需要は市場規模とともに増加中

テレワークの推進など働き方改革による業務効率化に取り組む企業が増えていることを追い風に、RPAエンジニアの需要は増えています。
また、省人化やコスト削減の流れを受けてRPAの活用を迫られている企業も増えています。
最近では、先進ツールの導入が遅れていた地方自治体や中小企業などでもRPA導入が加速する動きもあり、市場規模とエンジニアの需要はますます拡大するものと見込まれます。

RPAが社会基盤となる時代に

将来的な技術進歩を考えた時、RPAエンジニアの未来は明るいといえます。
現時点でRPAは、パソコンやサーバー上の業務を自動化する技術として導入されています。
しかし今後は科学技術と組み合わせることで、仕事以外の生活に関わるものへの自動化も可能になるでしょう。
いずれ、家事や育児の自動化も実現するかもしれません。
企業以外の社会全体でRPAが導入される時代になれば、エンジニアのニーズは自然に高まります。

RPAエンジニアの需要は市場規模とともに増加

RPAの市場規模は年々増加傾向にあります。
矢野経済研究所によれば、2020年度のRPAの国内市場規模は前年度より37.6%増で729億円です。
市場規模が年々増え続けていることから、今後も増加していくと予想されています。
さらに、働き方改革が進められる中で、人手不足や残業時間を改善するための業務効率化にも目が向けられています。
RPAで業務を自動化すれば生産効率向上・人件費削減が見込まれるため、エンジニアの需要は増えていくでしょう。
下記の記事では、RPAエンジニアの将来性について詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

まとめ

この記事では、RPAエンジニアの仕事内容、必要な知識やスキル、未経験からRPAエンジニアを目指す方法や勉強方法を解説しました。
RPAエンジニアの仕事内容は開発だけではありません。
コンサルティングを通じてクライアントの業務の中で効率化できる部分を洗い出し適切なツールを提案したり、導入や保守に関わったりなど、幅広い業務をカバーします。
また、ITスキルやRPAツールの操作スキルなど必要スキルが多く、一見ハードルが高く見えるかもしれません。
一方、RPAエンジニアになるには必須の資格はなく、未経験からでも仕事に就くことは可能です。
オンラインでの講座など気軽に受講できるものもあるので、知識ゼロで挑むのではなく、まずは講座などを通じて知識を積み上げておくことをおすすめします。

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