COLUMN上流工程で働くエンジニアになるには?向いている人や魅力を紹介

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上流工程で働くエンジニアになるには?向いている人や魅力を紹介

上流工程
・システム開発における上流工程とは具体的にどこまでを指すの?
・上流工程と下流工程はどのように異なるの?
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
  • システム開発における上流工程の範囲
  • 上流工程と下流工程の具体的な違い
  • 上流工程でのエンジニアの仕事内容や流れ
の順番に解説していきます。
ソフトウェアの開発プロジェクトに関わる人や、エンジニアとしてのキャリアを考えたい人には役立つ記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

システム開発における上流工程とはどこまで?下流工程との違い

システム開発における工程は、大きく上流工程と下流工程に分けられます。
以下に分けて、具体的な内容とその違いについて解説します。
  • 上流工程とは?
  • 上流工程と下流工程の違い

上流工程とは?

システム開発の上流工程とは、ソフトウェアなどを開発する際に、プロジェクトの初期段階で行われる工程のことです。
この工程には、システム開発における根幹となる要件定義や基本設計が含まれ、顧客のニーズや問題点を正確に把握し、それらを満たすためのシステムやサービスの大枠を設計します。
具体的には、プロジェクトの目的の明確化、関係者のニーズの収集と分析、システム要件の定義、ソフトウェアやハードウェアの構造設計などが行われます。
上流工程を適切に実施することで、プロジェクトを進行する指針を作成し、プロジェクトのリスクを低減したり、開発効率や品質の向上ができたりします。

上流工程と下流工程の違い

上流工程は、プロジェクトの初期段階で行われる計画や設計などの工程で、要件定義や基本設計が含まれます。
これに対し、下流工程はプロジェクトの後半に位置します。
上流で決定した設計を基にした詳細設計、開発、テスト、運用・保守などの実際に製品を作り上げる作業を指すのです。
上流工程は「何を作るか」を決め、下流工程は「どうやって作るか」を実行するフェーズです。

上流工程を担当するエンジニアの仕事内容や流れ

上流工程を担当するエンジニアの仕事内容や流れを、以下に分けて紹介します。
  • 目的の明確化
  • 期日や予算管理
  • 設計仕様の策定

目的の明確化

上流工程において「目的の明確化」とは、プロジェクトの目標やクライアントのニーズ、システム開発の要求を精緻に理解し、それを基にシステムの仕様や範囲を決定する作業のことです。
具体的には、「ヒアリング」と「要件定義」のステップを踏むことになります。

ヒアリング

まず、エンジニアは、顧客の要求や問題点を把握するためにヒアリングを行います。
この場合、顧客が何の目的でシステムを導入したいのか、どのような問題を解決したいのかを深く掘り下げます。
また、顧客が明確に認識していない隠れたニーズや潜在的な要望を洗い出すことができると理想的です。

要件定義

次に、ヒアリングで得られた情報をもとに、実現可能な開発範囲を決定しましょう。
  • 機能要件(システムが行う具体的な処理や機能)
  • 非機能要件(システムのセキュリティやスケーラビリティなどの品質要件)
それぞれを、「5W1H」(何を、なぜ、誰が、どこで、いつ、どのように)を基本に各要件を明文化します。

期日や予算管理

上記の流れで目的を明確にすることができたら、「期日や予算管理」も検討します。
例えば、プロジェクトの範囲、目標、および到達点を定め、それらを元にリソース(人材、時間、費用)の計画を立てることなどです。

設計仕様の策定

期日や予算管理が決まったら、クライアントの要求を具体化し、システムが満たすべき機能や性能を定義する「設計仕様の策定」も担います。
主に、「基本設計」と「詳細設計」の2つに集約されるため、それぞれ解説します。

基本設計(外部設計)

基本設計では、作成した要件定義をもとに、システムの大枠の設計に取り掛かります。
例えば、システムの概観、プロセスフロー、ユーザーインターフェースのレイアウト、システムが提供するサービスの基本的な行動などです。
多くの場合、クライアントやユーザーにとって可視化できるものが対応範囲です。

詳細設計(内部設計) 

一方で、基本設計が行われると、開発者に必要な情報が詳細に詰められた内部設計が行われます。
例としては、システム内部の動作詳細やデータ構造、データベーススキーマ、システム間インターフェースなどが挙げられるでしょう。
いずれの設計仕様も、ドキュメント化して下流工程へと引き継ぎます。

上流工程で働くエンジニアに向いている人は?

上流工程で働くエンジニアに向いている人は、以下のとおりです。
  • 下流工程で経験を積んできた人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • プロジェクトの管理が得意な人
それぞれについて詳しく確認していきましょう。

下流工程で経験を積んできた人

まず、下流工程で経験を積んできた人は、上流工程に向いています。
エンジニアとして必要な技術的な知識やスキル、そしてプロジェクトの流れに対する理解を持っているためです。
例えば、上流工程の仕事では、クライアントの要求を技術的な仕様に落とし込む能力が重要になることから、この過程で、下流工程でのコーディングの経験が大きく役立ちます。

コミュニケーション能力が高い人

上流工程では、クライアントの要求を正確に把握し、それをシステム設計に落とし込むことが求められます。
そのため、高いコミュニケーション能力を有する人は、スムーズにプロジェクトを進める助けになるため、上流工程での役割に適しています。
しかし、コミュニケーションと同時に技術的な理解と分析能力も必要とされるため、いずれも持ち合わせた人が上流工程で働くエンジニアに向いていると言えるでしょう。

プロジェクトの管理が得意な人

最後に、プロジェクトの管理ができる人も、上流工程に向いていると言えます。
システム開発プロジェクトの全体を見渡し、順調な進行を保証するプロジェクトマネージャーやリーダーには管理能力が求められるためです。
管理能力には、例えば以下が挙げられます。
  • 計画立案能力
  • リスクマネジメント
  • リソースの管理
それぞれの能力を身につけたエンジニアであれば、上流工程でその才能を最大限に発揮できるでしょう。

上流工程のエンジニアはつまらない?魅力をご紹介

上流工程で働く場合、実際に手を動かすことが好きな人にとっては物足りないと感じることがあります。
しかし、上流工程には独自の魅力があり、例えばチーム一丸となって大きな仕事を達成する喜びがあったり、自分のアイデアが形になる過程を楽しめたりするものです。
ここからは、上流工程の魅力をより詳しく以下に紹介します。
  • 新しいものを生み出すことができる
  • クライアントの反応を感じることができる
  • 大規模な案件にかかわることができる

新しいものを生み出すことができる

上流工程は、クライアントの課題に応じてゼロから新しいものを生み出すこともやりがいの一つです。
上流工程では、プロジェクトの初期から、課題解決の方法を模索し、要求分析やシステム設計を通じて独自の解決策を提案します。
こうしたプロセスを経ることで、単に既存のシステムを活用するのではなく、独自のプロジェクトで新しい価値を創造する機会を得ることができます。

クライアントの反応を感じることができる

上流工程では、クライアントとのコミュニケーションが多いため、クライアントからの反応を感じるチャンスも数多く存在します。
上流工程では、ある程度の決定権と責任を持ち、クライアントのニーズに寄り添ったシステムと解決策を構築します。
その成果がダイレクトにクライアントの反応として返ってくるのは、高いモチベーションにつながるでしょう。

大規模な案件にかかわることができる

上流工程にしっかりとリソースを割きたいと考えるプロジェクトは大型であると想定できるでしょう。
最近ではアジャイル開発やDAO型組織などが注目されていることにより、スモールスタートを行うケースもありますが、それでも上流工程を重んじるプロジェクトは大型であることが多いと言えます。
大型案件になるほど、多くの人員が関わるため、チームとして協力することで、技術的なスキルはもちろん、コミュニケーション能力も向上させることができ、個人の成長にもつながります。

上流工程で働くためのおすすめの資格は?

上流工程で働くためのおすすめの資格には、以下が挙げられます。
  • 応用情報技術者試験
  • システムアーキテクト試験
  • プロジェクトマネージャー試験
  • ITストラテジスト試験
それぞれについて以下に解説します。
ただし、必ずしも資格が必須というわけではなく、技術面への知識があることとそれに基づく経験が重視される世界であることは認識しておきましょう。

応用情報技術者試験

まず、上流工程で働くためにおすすめの資格として、応用情報技術者試験が挙げられます。
応用情報技術者試験は、エンジニアが上流工程を担当する際に必要な、幅広いIT知識や設計、管理能力を証明するための国家資格です。
応用情報技術者試験の難易度や合格率、必要な勉強時間などについて詳しくは下記の記事を参考にしてください。

システムアーキテクト試験

エンジニアの上流工程では、システムアーキテクト試験の取得もおすすめです。
システムアーキテクト試験は、経済産業省が認定する情報処理技術者試験の1つで、上流工程に従事する上級エンジニア向けの国家資格です。
この資格を持つエンジニアは、プロジェクトの初期段階である要件定義やシステム設計などの重要な役割を果たし、プロジェクトの成功に大きく貢献できます。
なお、システムアーキテクト試験の詳細や合格するメリット、難易度などについては、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

プロジェクトマネージャー試験

さらに、上流工程に携わる上で役立つ資格として、プロジェクトマネージャー試験も挙げられます。
主に、プロジェクトマネージャーとして求められる広範な知識とスキルを測定する内容となっており、プロジェクト管理のスペシャリストとしての実力を証明できます。
プロジェクトマネージャー試験に興味を持たれた人は、試験の詳細や必要な対策などを解説した下記の記事をご覧ください。

ITストラテジスト試験

エンジニアとして上流工程に関わるために、ITストラテジスト試験の取得もおすすめです。
この資格を取得することで、エンジニアは上流工程でのポジションに就く可能性を高め、より戦略的な役割を果たすことができると期待されます。
ITストラジスト試験の詳しい試験内容や取得のメリットに関しては、以下の記事をご覧ください。

上流工程で働くエンジニアになるためにはどうすればいい?

エンジニアが上流工程で働くためには、下流工程で実務経験を積むことをおすすめします。
なぜなら、技術的なバックグラウンドを有することにより、システム全体を理解しやすくなり、上流工程へのステップアップに役立つからです。
ただし、新卒や第二新卒の場合、企業によっては研修制度や教育プログラムを通じて、いきなり上流工程の仕事に携わる機会もあります。
テクノジョブサーチでは、未経験からでも応募可能な案件があるため、まずは下流工程の仕事を探し、経験を積むと良いでしょう。
この経験を積む過程で、上流工程で求められる技術的な知見やプロジェクト管理のスキルを身につけることができます。

まとめ

上流工程で働く場合、プロジェクトの初期段階から、要件定義や基本設計などの戦略的な作業を担当し、実装やテストを行う下流工程とは異なるスキルや視点が求められます。
このため、上流工程で活躍するためには、下流工程で経験を積み、スキルを磨くことが一番の近道です。
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