COLUMNICT支援員とは?学校で先生・生徒を助けるお仕事について解説

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ICT支援員とは?学校で先生・生徒を助けるお仕事について解説

ICT

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ICT支援員について

ICT支援員とはどのような仕事内容でしょうか。
働き方や特徴、やりがいについても紹介します。

仕事内容や役割とは

ICTは、Information and Communication Technology(情報通信技術)の略で、情報を収集、処理、保存、伝達するための技術全般を指します。
ICT支援員は、それぞれが担当するエリアの小学校・中学校・高校に出向いて、先生が使用しているPCやその他周辺機器の使い方について指導し、学校教育現場におけるICT機器活用・情報化推進のサポートを行います。
契約内容によっては、実際に行われている授業の支援を行ったり、導入された各種ICT機器をさらに有効活用するアドバイスを行ったりするケースもあります。

雇用形態・勤務形態は?

ICT支援員の雇用形態・勤務形態はさまざまです。
自治体や学校が直接雇用する場合や、自治体や学校が委託する業者において雇用される形態が一般的で、正社員から契約社員、派遣社員、アルバイト・パートまであります。
勤務形態は週5日フルタイムで1校に常駐、または複数校を巡回で働くパターンと、シフト勤務で複数の学校を回るパターンが主です。
正社員、契約社員、派遣社員であれば前者、アルバイト・パートであれば後者が多いでしょう。
休日については、原則として土日祝日休みですが、学校のスケジュールにより土日に出勤し、振替休日を取る場合もあります。また、学校の長期休暇期間中に仕事があるかどうかは自治体によって異なります。

最大の特徴・やりがいとは

仕事内容はPC教室のインストラクターに似ていますが、自発的に教わりに来た人に受動的に教えるのではなく、自ら教職員や生徒に指導する点が特徴です。
割合としては興味を持っていない相手に教えるほうが多いため難易度は高いのですが、その分達成感があります。
学生や先生方に教える楽しさや、人のためにサポートするやりがいを感じられるでしょう。
また、ICT支援員は大変と感じる人もいます。
下記で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

ICT支援員には年齢制限がないって本当?

ICT支援員に年齢制限はありません。
ICT環境に携わるため、ICTに抵抗がなく、他者のためにサポートをしたいと考えている人であれば適性があると言えます。

ICT支援員を目指すのにプラスになる経験とは

PC教室のインストラクターのように人に教える仕事を経験した人であれば、その経験を活かしてスタートすることができます。
また、一般企業でオフィス作業を経験していれば、基本的なPC操作などが習得できているので「教えるための学習」がスムーズに完了します。

ICT支援員に向いている人

ICT支援員に向いている人はどのような人でしょうか?
ICT支援員に求められる特徴について紹介します。

コミュニケーション能力が高い人

ICT支援員はPCなどの知識がない学生から中高年の先生まで指導しサポートするため、どんな人にもわかりやすく伝えるコミュニケーション能力が求められます。

ICT機器に詳しい人

主に授業で使うPCやタブレットなどの操作方法を教えますから、ICT機器の知識も必要不可欠です。
基本的な操作方法やよく使うソフトの使い方に詳しいほうが、指導する際により正確な情報を伝えられるでしょう。

ICT支援員が取り扱うICT機器とICT教育の取り組み例

ICT機器について

主に扱うICT機器は、PC・タブレット・教材ソフト・プロジェクターなどが中心となります。
そのほかに、学校で使用する一般的なソフトウェアも取り扱います。
Officeソフト(エクセル、ワード、パワーポイントなど)・授業支援ソフト・教材ソフトなどです。

ICT教育の取り組み例

令和元年から始動した文部科学省が進める「GIGAスクール構想」では、全国の児童一人に一台のコンピューターと高速ネットワークを提供する取り組みが計画されました。
この計画に基づき、小学校と中学校、特別支援学校での端末支給のために、1人あたり最大4.5万円の補助金が支給されたことで、ICT機器を活用したICT教育が急速に広まりました。
以下のような取り組みにより、GIGAスクール構想の下でのICT教育は一層の発展を遂げ、全国的にその効果が顕著に現れ始めているのです。
学校の種類 ICTの活用
小学校 タブレットで学習進捗を記録、ビジュアルプログラミング導入
中学校 電子黒板と電子教材による学習
高等学校 「ロイロノート」等のツールで思考力と判断力の向上
それぞれのICT教育の取り組みを、詳しく見ていきましょう。

小学校

小学校では、タブレットやパソコンが導入されていることから学習の幅が広がっています。
例えば、タブレットを活用することで学習の進捗状況を記録し、生徒のレベルに合わせて学習を進めることができます。
また、写真、音声、動画で考えを表現できることから、生徒たちの表現の幅が広がっています。
他にも、論理的思考を養い、身近なITに関して理解を深めるために、ビジュアルプログラミングと言われるブロックを繋ぎ合わせ、プログラムを作成するツールを活用する事例も見受けられます。

中学校

中学校で実施されるICT教育としては、電子黒板を活用した授業が挙げられます。
生徒たちは電子書籍で学習するだけでなく、電子黒板に投影される動画を見ながら授業を受けます。
重要なポイントでは先生が都度動画を止め、その静止した画面に追記しながら生徒たちに授業をすることで生徒たちの理解をより深めています。

高等学校

高等学校で実施されるICT教育としては、「ロイロノート」などのシンキングツールを使った事例が挙げられます。
シンキングツールでは、思考を可視化することで思考力や判断力を養います。
また共有機能にも優れているため、読書後シンキングツールから感想を提出し、全体で共有するといった使い方もされています。

ICT支援員の資格について

教育やビジネスの現場でICTを効率的に利用し、問題解決を行うICT支援員には、特定の知識とスキルが求められます。
そのため資格は取得しておくといいでしょう。
業務に役立つ主な資格とその取得方法、試験の内容に焦点を当てて紹介します。

ICT支援員認定資格とは?

ICT支援員の資格としてもっとも一般的なのが「ICT支援員認定資格」です。
年2回実施され、認定されてから約2ヵ月で認定証書が手に入ります。
実践的知識を問うA領域と、問題分析と説明力を問うB領域があり、A領域は受験会場にてCBT方式で受験し、1週間後にB領域の課題が提示され、課題に対する動画を5日以内に提出する流れです。

「ICT支援員認定資格」の難易度

ITCE 教育情報化コーディネータ検定試験公式サイトによると、2022年度の合格者数は400名と公表されています。
また、特定非営利活動法人情報ネットワーク教育活用研究協議会(JNK4)によると、2020年12月の時点で総受験者数はのべ6,421 名となり、合格者は2,832名となります。
そのため、合格率としては44.1%です。
2人に1人は合格しているため、難易度としては難しくないが簡単でもないといったところになるでしょう。

2019年度から始まった「ICT支援員上級認定試験」とは?

ICT支援者としてキャリアアップしたいなら、実績と能力面で優れた人にのみ認定される「ICT支援員上級認定試験」を受験するのがおすすめです。
問題解決、コミュニケーション能力、マネジメント能力に関する課題と面接を行うもので、ICT支援者として高いスキルを持つことの証明になります。

「ICT支援員上級認定試験」の難易度

2020年の合格者は2名ですが、2021年の合格者は0名です。
また、応募者数は非公開のため実際の合格率はわかりませんが、それ以前は2016年に1名、2013年に2名と過去の合格者数を合計しても5名のため、難関である可能性が高いと言えるでしょう。

ICT支援員の先駆けとなった「教育情報化コーディネータ」とは?

ICT支援員と似ている資格「教育情報化コーディネータ」は、ICT支援員よりも10年早く試験が実施されています。
教育情報化コーディネータは学校の教育情報化をデザインする役割を担っているため、資格を取得すればより広い視野を持って実務に取り組めます。

「教育情報化コーディネータ」の難易度

資格名 合格者
教育情報化コーディネータ3級 2023年度 97名
教育情報化コーディネータ準2級 2023年度 14名
教育情報化コーディネータ2級 2023年度 6名
教育情報化コーディネータ1級 2020年度 1名 ※2021年度~2023年度0名
「教育情報化コーディネータ」は入門レベルの3級から指導者レベルの1級まであるため、それぞれによって難易度が異なります。
「教育情報化コーディネータ3級」は2023年度の合格者は97名と公表されており、応募数にもよりますが、級が上がるにつれ難易度が上がり合格者が減ることが想定されます。

ICT支援員になるために必要なスキル

資格で得られる知識だけに限らず、ICT支援員としての役割が拡大している現代では、学校や企業で使われるさまざまなICT機器やソフトウェアへの対応はもちろん、コミュニケーション能力や指導技術も必要です。
とはいえ、役割を踏まえたコミュニケーションの取り方などのレクチャーを受け、参加してから現場で経験を積みながらの対応でも十分に間に合います。
ここからは、事前に知っておきたいICT支援員に不可欠とも言える基本的な知識や技術を3つ紹介します。

対面でのコミュニケーションスキル

「ICT支援員」という名前からわかる通り、「システムエンジニア(SE)」や「カスタマーエンジニア(CE)」などのいわゆるエンジニアのような専門職なイメージを持ちやすいですが、実際には技術的なスキルよりも、基礎スキルと対面コミュニケーションスキル、指導スキルが重視されます。

パソコン・タブレットに関する基礎知識

プリンタの設定・インターネットの接続設定など身近な環境設定ができる基本的なパソコン・タブレットの知識が必要です。
ワード・エクセル・パワーポイントの使用スキルも欠かせません。
そして、プログラミング教育への興味関心も求められます。

ビジュアルプログラミングに関する基礎知識

高度なプログラミングスキルを求められることはありませんが、ビジュアルプログラミングをするためのアプリケーションの操作方法を知っておくと良いでしょう。
ビジュアルプログラミングとは、図形やイラストをドラッグ&ドロップにより組み合わせるだけでプログラミングができる方法です。
近年では論理的思考を養い、身近に関わるコンピューターを深く理解するために、文部科学省がプログラミング教育の導入を推進しています。
そのため、Scratch(スクラッチ)といったビジュアルプログラミングに関する基礎知識を持っていればICT支援員として活躍できるでしょう。

ICT支援員の平均年収と将来性

ICT支援員の平均年収は、勤務形態により異なるものの、その将来性は非常に高いと評価されています。
しかし、この技術を教える専門の支援員はまだ不足しており、自治体によるICT支援員の配置も進むにつれて、重要性は一層高まりを見せています。
ここからは、ICT支援員はどの程度の年収が見込めるのか、将来性は本当にあるのか、現状はどうなっているのかの3つをより詳しく解説します。

ICT支援員の平均年収

多種多様な勤務形態があるため一概には言えませんが、一般的には年収300~350万円が相場だと言えそうです。
さまざまな求人をチェックして、希望に合った募集を探しましょう。
(複数の求人サイトを2020年4月時点で調査し、株式会社FGLテクノソリューションズが集計して記載しています。)

ICT支援員の将来性

IT社会になり学校でもプログラミングの授業が始まるなど、幼少期からITリテラシーを高めようとする風潮が生まれています。
当然、学校にはPCやタブレットが導入されICT化が進んでいますが、学校の先生が担当しているのはあくまで専門教科の授業であり、PCやタブレットの操作を教えるわけではありません
そのためICTを専門とするICT支援員のニーズが高まっていて、今後もこうした流れは加速していくであろうことから、ICT支援の将来性は高いと言えます。

実際にICT支援員はまだまだ不足している

ICT支援員を配置することで「環境整備や授業における教員の負担の軽減」や「校内での研修を支援することによるICT活用指導力の向上」への効果が実感されています。
また、実際にICT支援員を配置した自治体と配置していない自治体を比較した際に、配置した自治体では環境の整備や人材育成が進んでいる傾向にあります。
項目 結果
教育用PC1台あたりの児童生徒数(小さいほど良好) 4.7人(未配置自治体の平均の0.9倍)
ICT活用指導力の各項目に関する研修を受講した教員の割合(多いほど良好) 53.2%(未配置自治体の平均を7.0%上回る)
しかしながら、ICT支援員の配置は都道府県別、市区町村別でそれぞれ見たときに半分程度に留まっており、まだまだ拡充余地がある状況です。
このように今後もICT支援員は多くの自治体で必要とされることが予想されます。

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ICT支援員はエンジニアほどの専門知識を必要としないため、ICTの基礎知識や技術、そしてコミュニケーション能力さえあればスタートできる仕事です。
未経験でもやる気と学ぶ姿勢があれば、活躍の幅を広げていくことができるでしょう。
ICT支援員が不足している現状では、求職者にとって選びやすい売り手市場となっており、多くの求人から自分に合った職場を選ぶことができます。
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チャンスを逃さないためにも、求人情報をこまめにチェックし、募集があったらすぐに応募することが大切です。
今、学校現場ではICT支援員が切実に必要とされています。
子どもたちの学びを支えるために必要不可欠なICT支援員に、ぜひチャレンジしてみてください。
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