COLUMNシステム運用保守からキャリアアップするには?役立つスキルや資格を解説

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システム運用保守からキャリアアップするには?役立つスキルや資格を解説

システム運用保守
システム運用保守の仕事に就くなら、キャリアアップを視野に入れた働き方・就職先を選びましょう。
運用保守の業務は、ルーティンワークが多くなりやすいです。
そのため、新たな知識や自分の望むキャリアパスに向けたスキル獲得には、能動的に取り組む必要があります。
この記事では、運用保守業務に携わる人材にキャリアアップが必要な理由や具体的なキャリアパス、取得によって有利になる資格を解説します。
運用保守からのキャリアアップに悩む方は、ぜひ参考にしてください。

システム運用保守はキャリアアップが必要な理由

システム運用保守でキャリアアップが必要な理由として、以下の3つがあります。
  • 運用保守のみでは報酬が低い
  • 運用保守は定型業務が多く、新たな経験を積みにくい
  • 運用保守の将来性
将来性まで加味するとキャリアアップが必要な理由を理解しやすくなるでしょう。
それぞれの内容を解説します。

運用保守のみでは報酬が低い

システム運用保守をメインとする求人の年収は、高くありません。
一般的なサーバー構築求人の年収は400〜700万円ですが、システム運用保守の求人となると、280〜400万円まで年収が下がります。
システム運用保守の業務は、高度な専門スキルを必要とされることが少ないためです。
また運用保守の性質上、仕事の成果や実績を数字として評価されないため、給与は上がらない現状があります。
運用保守のみで高い報酬を得るには、キャリアアップが必要です。

運用保守は定型業務が多く、新たな経験を積みにくい

システム運用保守は、ITサービスの監視や管理といったルーティンワークが主な業務です。

トラブルが起こる前のインシデントに対して目を光らせ、課題や問題の解決をこなす仕事ではありません。
キャリアアップを考えるなら、意識的に違う職種の業務を兼任する意識が求められます。
新しい知識をインプットできる資格の取得も視野に入れてみましょう。
転職を考える際には、勤め先で運用保守のキャリアアップを後押しする風土があるかどうかも確認するとよいでしょう。

運用保守の将来性

運用保守の業務は、引き続き重要な業務の一つです。
しかし、ITシステムは、クラウド環境への移行によって従来より複雑化しています。
システムの複雑化は想定外の脆弱性を生み出し、サイバー攻撃も多様な手口が生み出されるでしょう。
運用保守の業務に携わるなら、強固なセキュリティ対策の知識が求められています。
クラウドサービスや最先端技術における知識を得るために、インプットを心がける必要があります。

システム運用保守のキャリアパス

一般的にシステム運用の担当業務は監視業務からスタートし、運用保守業務へキャリアアップします。
ここからは、運用保守から別業種へのキャリアパスとして以下の内容を紹介します。
  • ネットワークエンジニア
  • インフラエンジニア
  • クラウドエンジニア
  • 開発SE
  • ITサービスマネージャー・ITコンサルタント

ネットワークエンジニア

システム運用保守のキャリアパスとして、ネットワークエンジニアです。
ネットワークエンジニアは、ネットワーク機器とサーバーを繋ぐ業務を担当します。
そのため、ネットワークやサーバOSに対する包括的な知識が必要です。
システム運用保守から、ネットワークエンジニアの能力を身に付けると、以下の業務を担当できます。
  • ITシステムの監視や管理
  • サーバーの設計や構築・管理
幅広い知識が身に付くため、将来的にチームや部署をまとめる力が身に付くでしょう。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、サーバーやネットワークの設計や構築の業務を担当します。
運用保守はシステムの安定した稼働を目的とする業務です。
対してインフラエンジニアはシステムを新しく構築する仕事です。
そのため、双方の知識やスキルを獲得すればエンジニアとしての人材価値が高まります。
インフラエンジニアは、担当する業界によって職務の重要度も変化する点は覚えておきましょう。
例えば、金融業界であれば責任とともに年収も高くなりやすいです。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、ITインフラ基盤を設計・構築するエンジニアです。
今後のIT業界において、クラウド関連の知識や技術は、必要不可欠な能力といえます。
現在、多くの企業がインフラ環境からクラウドへと移行しています。
クラウドエンジニアの能力が身に付けば、よりレベルの高い業務が遂行できるでしょう。
今後のIT業界で必須ともいえるクラウドの知識が身に付き、幅広い仕事もこなせるようになるので、人材としての価値も高まります。

開発SE

開発SEは、システムの開発者として、社外の案件も請け負うエンジニアです。
システム運用保守が開発SEに転身すると、設計段階で運用や管理まで視野に入れた開発が可能となります。
IT業界の運用保守と開発は担当する業務の性質が真逆に位置するため、しばしば対立構造に陥りやすいと言われています。
そのため、運用保守と開発の両方の仕事について理解があれば、よりスムーズな業務が可能となるでしょう。

ITサービスマネージャー・ITコンサルタント

運用保守のキャリアアップには、ITサービスマネージャーやITコンサルタントといった選択肢もあります。
ITサービスマネージャーは、運用保守のスペシャリストとして、運用テストや保守業務などの最終工程を担います。
ITコンサルタントは、コンサルティングによって、企業活動を外部からサポート・指導する業務です。
いずれの仕事も社外の顧客と関わりを持つため、コミュニケーションスキルが求められます。

システム運用保守に必要なスキル

運用保守からキャリアアップするためには、現行業務から以下のスキルを意識して獲得しましょう。
  • インフラ環境に対する知識
  • クラウドサービスに対する知識
  • 開発業務全般に対する知識
  • 事業やプロジェクトを俯瞰できる能力
インフラエンジニアやクラウドエンジニアのような開発スキルは、毛色が異なる分野となるため、新たなインプットが必要です。
しかし、運用保守の業務から開発領域のスキルを身に付けるには限界があります。
そこで、おすすめしたいのが資格取得です。
キャリアアップに役立つ資格の勉強によって、別職種の業務内容や必要な知識が身につきます。

システム運用保守に役立つ資格

システム運用保守からキャリアアップを目指すなら、実務経験を積みながらプラスαのスキルを証明する資格取得が効果的です。
ここでは、5つのおすすめ資格を紹介します。
  • 基本・応用技術者
  • ネットワークスペシャリスト
  • データベーススペシャリスト
  • システムアーキテクト
  • ベンダー資格

基本・応用情報技術者

基本・応用情報技術者は、IT業界の国家資格です。
基本情報技術者の試験内容では、ITリテラシーの知識が必要とされます。プログラミングスキルから記述式の問題まで幅広い範囲の対策が必要です。
基本・応用情報技術者の資格が取得できれば、ITエンジニアとしての高いスキルを証明できます。
知名度が高い資格であるため、ITを基礎から学び、実力を証明したい人におすすめです。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストは、ネットワーク機器やサーバーにおける固有技術を証明できる国家資格です。
ネットワークの設計や、構築に付随した開発スキルが学べます。
運用保守は、監視業務や起こったトラブルを処理する受動的な仕事がメインです。
しかし、ネットワークスペシャリストを取得すれば、開発関連のスキルが身に付くため、能動的に業務を進められるようになるでしょう。
ITエンジニアとして、幅広い知識とスキルを身に付けたいという人におすすめです。

データベーススペシャリスト

データスペシャリストは、情報処理技術者試験の一つに該当する国家資格です。
データベースは、機械学習やビッグデータ解析のようなAI技術の発展に欠かせません。
開発に必要な知識が身に付くため、さまざまな企業で重宝される人材へと成長できるきっかけとなります。
システム基盤の企画から運用保守まで担当できる証明になるので、システムエンジニアとして高いスキルを持つアピールになるでしょう。

システムアーキテクト

システムアーキテクトは、開発の中心に立つ能力を証明する国家資格です。
開発工程の中でも、上流工程における業務遂行能力が問われます。
試験の難易度も高いため、取得できれば高度IT人材として扱われることは間違いありません。
システム開発の先導役を担う立場に立つスキルであるため、仕事の幅は大きく広がります。
IT業界における人材的価値も高く評価されるため、キャリアアップを考えるなら有効な資格の一つです。
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ベンダー資格

システム運用保守には、ベンダー資格の取得も役に立ちます。
ベンダーの自社サービスに関連した資格も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)

マイクロソフト認定資格プログラムは、Microsoft社製品に関する知識とスキルが証明できる、世界基準の資格です。
日本でも人気の高い資格で、ITスキルやレベルに応じて3つのグレードから選択して受験できます。
未経験からチャレンジするならエントリーレベルからはじめましょう。

Linux技術者認定試験(LPIC1-3)

Linux技術者認定は、無料で利用できるオープンソースOSのLinuxにおける知識とスキルの証明になります。
Linuxは、主要OSとして世界中で利用されるため、業務でも使用する機会が多いでしょう。
そのため、Linux技術者認定によって、エンジニアとしての高いスキルを証明できます。
試験は基礎内容のレベル1から、専門知識が問われるレベル3まであります。

JP1認定技術者

JP1認定技術者は、日立製作所が認定する統合システム運用管理ツールにおける知識と技能を証明する認定資格です。
JP1とは、日立製作所が開発・販売するITサービスの管理ソフトです。システムの規模に左右されずに導入でき、後付けで拡張もできます。
公式テキストからの出題のため、他の試験と比較して勉強もしやすいのが特徴です。

シスコ技術者認定(CCNA,CCNP)

シスコ技術者認定は、ネットワークに関する知識が証明できるアメリカのシスコ社が認定を行う試験です。
試験のグレードは、エントリーからエキスパートまでの4段階です。
CCNAはアソシエイト、CCNPはプロフェッショナルに該当します。
CCNA、CCNPは世界的にも広く知られる認定資格で、企業でも資格を持つ者に対して資格給を与えるところが少なくありません。
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システム運用保守の年収

システム運用保守の平均年収は416万円と言われており、20代だと387万円程です。年齢を重ねて、30代になると466万円が相場とされています。
システムエンジニアと比較すると、システム運用保守の平均年収は低いです。
ただし、システム運用保守でも高度なスキルを保有すれば年収が1,000万円を越えるケースもあります。
資格を取得したり、他の職種の業務も担当できたりすれば、システム運用保守であっても年収が上がるでしょう。

まとめ

運用保守のキャリアアップについて、スキル向上が必要な理由とおすすめの資格について紹介しました。
運用保守はルーティン業務が多くなる性質上、新しいタスクが舞い込んでくるような仕事ではありません。
成果が数字で見えづらいため、給与や待遇面の向上に向けて日頃からキャリアアップを意識した行動が必要です。
この記事を参考に、キャリアパスを考えてみましょう。

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