COLUMNITSS(ITスキル標準)とは?そのレベルや職種を解説!

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ITSS(ITスキル標準)とは?そのレベルや職種を解説!

ITSS(ITスキル標準)
  • 「ITSSとは、一体何を指す言葉なの?」
  • 「どの程度のITSSレベルを目指せば良いの?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
・ITSS(ITスキル標準)について
・ITSS(ITスキル標準)の7段階レベル
・ITSS(ITスキル標準)における11の職種
の順番に解説していきます。
IT関連の転職を考えている人や、これから初めてIT業界に踏み込む人には役立つ記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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ITSS(ITスキル標準)について

ITSSとは「IT Skill Standard」を略したもので、日本語では通称「ITスキル標準」と呼びます。
ITSSについて、概要や策定された背景を見ていきましょう。

そもそもITSS(ITスキル標準)とは?

ITSSは、ある人材が持つITスキルのレベルを知るためのスキル体系のことです。
例えるならば、ITスキルを測る「ものさし」と言えます。
ITSSというものさしによって、IT人材が持っているスキルレベルを数値化できるようになります。
数値化したスキルによって、人材育成や評価の指標として活用できるのです。

ITSS(ITスキル標準)が策定された目的・背景

IT産業が急速に発展してきた中で、ITSSは人材確保や育成を目的として策定された背景があります。
2000年代前後のIT業界の発展に伴い、高度なITスキルを持った人材の確保が求められるようになりました。
国を挙げてIT産業を発展させるためには、キャリアパスや必要なスキルの指標が必要です。
IT人材のレベルを客観的に判断し、人材育成を進めていくために、ITSSは策定されたのです。

ITSS(ITスキル標準)と他のITスキル標準との違い

ITSSの他に、「UISS(情報システムユーザースキル標準)」というITスキル標準があります。
UISSは、情報システムを利用するユーザー企業が備えるべきスキルなどを測る指標のことです。
ITSSとの大きな違いは、対象が情報システムを扱うユーザーだという点です。
さらに、「ETSS(組込みスキル標準)」と呼ばれるスキル基準も存在します。
ETSSは、組込みエンジニアとして求められるスキルを測る指標です。
ETSSもITSSと同様、エンジニアの需要の高まりから策定されたスキル標準と言えます。

ITSS(ITスキル標準)の7段階レベル

ITSSでは、7段階に分かれたレベルによって、スキルの度合いを評価します。
また、7段階のスキルはそれぞれ4つのレベルに分類されています。
ここからは、ITSSで使用されるレベルについて詳しく紹介していくので、参考にしてみてください。
分類 レベル 概要
エントリレベル レベル1 IT人材として必要最低限の知識を持つレベル。
ミドルレベル レベル2、3 プロフェッショナルを目指せる基本的な知識を持つレベル。
ハイレベル レベル4、5 高度なスキルを持ち、自力で課題の発見や解決を行えるレベル。
スーパーハイレベル レベル6、7 国内または世界で通用する知識とスキルを持ったレベル。

エントリレベル(レベル1)

ITSSのレベルの中で、最も低いレベルがエントリレベルです。
エントリレベルは、情報技術に関して必要最低限の基礎知識を持っているという段階を指します。
情報処理をはじめとするITに携わる際のスタートラインとされるレベルが、エントリレベルです。

ミドルレベル(レベル2、3)

ミドルレベルは、IT人材としてプロフェッショナルを目指すために必要な基本知識を有しているレベルを指します。
レベル2の場合、上司などからの指導の下で業務を行えるスキルレベルが必要です。
レベル3の場合は、与えられた作業を自力でこなせる程度の基礎・応用的な知識が求められます。

ハイレベル(レベル4、5)

ITのプロフェッショナルとして高度な知識・スキルを身につけていることを示すのが、ハイレベルです。
ハイレベルを満たす場合は、企業においてハイレベルなプレーヤーもしくはハイエンドプレーヤーとして評価されます。
自力で課題を解決し、自らビジネスを立案するような高いスキルが求められると言えるでしょう。

スーパーハイレベル(レベル6、7)

スーパーハイレベルは、社内外を問わずプロフェッショナルとして業界をリードできるレベルを指します。
レベル6の場合、国内のハイエンドプレーヤーとして活躍できるほどのスキルを持つ人材だと評価されます。
レベル7は、世界に通用するレベルを持つプレーヤーとして経験や実績、確固たるスキルを持った人材と評価される、最高位のレベルです。

ITSS(ITスキル標準)における11の職種

ITSSという指標では、ITに関わる職種を11種類に分類しています。
ここからは、ITSSにおける11の職種の主な業務内容を紹介していきます。
【ITSS(ITスキル標準)における11の職種】
・マーケティング
・セールス
・コンサルタント
・ITアーキテクト
・プロジェクトマネジメント
・ITスペシャリスト
・アプリケーションスペシャリスト
・ソフトウェアデベロップメント
・カスタマーサービス
・ITサービスマネジメント
・エデュケーション

1:マーケティング

商品やサービスを販売するために戦略を練るのが、マーケティングです。
ターゲット顧客のニーズや動向についてのデータを用いて分析し、戦略を考えていきます。
ITSSの分類においては、
  • マーケティングマネジメント
  • 販売チャネル戦略
  • マーケティングコミュニケーション
の3つの種類に分けて考えられます。

2:セールス

セールスは、顧客と信頼関係を築き、顧客のニーズに適したサービス・製品の提案を行う職種です。
セールスも3つの種類に分けられ、
  • 訪問型コンサルティングセールス
  • 訪問型製品セールス
  • メディア利用型サービス
に分かれています。それぞれ対象とする顧客の幅やセールスに使用する媒体が異なります。

3:コンサルタント

顧客のビジネスモデルや戦略などについて、最適な提言・助言をして経営判断をサポートするのが、コンサルティングという職種です。
コンサルタントは2つの種類に分けられ、
  • 各産業を対象とする「インダストリ」
  • 全ての産業を対象とする「ビジネスファンクション」
があります。

4:ITアーキテクト

ITアーキテクトは、高いITスキルを駆使し、経営戦略において必要なITシステムのアーキテクチャ(構造)を設計する職種です。
ITSSでは、
  • アプリケーションアーキテクチャ
  • インテグレーションアーキテクチャ
  • インフラストラクチャアーキテクチャ
の3種類に分けられています。

5:プロジェクトマネジメント

プロジェクトの提案・立ち上げから実行までを管理するのが、プロジェクトマネジメントです。
納品までの計画を立て、納期や品質を守れるようにプロジェクトを管理します。
ITSSでは、
  • システム開発
  • ITアウトソーシング
  • ネットワークサービス
  • ソフトウェア製品開発
の4つの専門分野に分かれています。

6:ITスペシャリスト

ITスペシャリストは、ハードウェア・ソフトウェア両方のスキルをもとに、システムの開発や設計、運用、保守を行う職種です。
ITSSでの分類は6種類で、
  • プラットフォーム
  • ネットワーク
  • データベース
  • アプリケーション共通基盤
  • システム管理
  • セキュリティ
に分けられます。

7:アプリケーションスペシャリスト

アプリケーションの設計や開発、運用、保守を行うのが、アプリケーションスペシャリストです。
アプリケーションスペシャリストの中で、「業務システム」では業務システムの開発から保守まで幅広く対応します。
2つ目に分類される「業務パッケージ」では、パッケージのカスタマイズや機能の追加について対応する役割とされています。

8:ソフトウェアデベロップメント

ソフトウェアの企画や開発について、マーケティングのデータに基づいて対応するのが、ソフトウェアデベロップメントです。
システムの基盤となるOS等を開発する「基本ソフト」・「ミドルソフト」・「応用ソフト」の3種類に分類されています。

9:カスタマーサービス

カスタマーサービスは、ハードウェアやソフトウェアの導入や保守、修理を行う職種です。
ITSSの分類による専門分野は、
  • ハードウェア
  • ソフトウェア
  • ファシリティマネジメント
の3種類に分けられています。

10:ITサービスマネジメント

システムの運用に対してのスキルや知識を駆使して、システム全体が安定して稼働する環境を維持するのが、ITサービスマネジメントです。
ITサービスマネジメントは4つの専門分野に分けられます。
  • 運用管理
  • システム管理
  • オペレーション
  • サービスデスク
と言い、サービスの提供から問い合わせ対応までを包括してこなす職種です。

11:エデュケーション

エデュケーションとは「教育」という意味を持ち、研修カリキュラムの開発や研修の運営、評価などを行う職種です。
カリキュラムの開発などを行う「研修企画」と、研修を実施する「インストラクション」の2つの専門分野に分類されています。

ITSS(ITスキル標準)と情報処理技術者試験について

経済産業省が行っている情報処理技術者試験は、IT人材としての知識やスキルのレベルを認定するための国家資格です。
情報処理技術者試験は、ITSSのレベルに対応しています。
ここからは、ITSSのレベルと、それに対応する試験の概要をチェックしていきましょう。

ITパスポート試験(ITSSレベル1)

ITパスポート試験は、ITに関わる全ての人を対象とした試験です。
IT業界に属する人に限らず、インターネットを使う学生や社会人も対象とする試験であり、情報処理技術者試験の中で一番難易度の低い試験です。

基本情報技術者試験(ITSSレベル2)

基本情報技術者試験は、IT製品やサービス、システム等を作成する人材を対象とした試験です。
ITエンジニア向けの試験であるため、ITの専門的な内容が問われます。
「ITエンジニアの登竜門」とも言われる試験で、ITエンジニアとして働き始める人の受験が推奨されています。

応用情報技術者試験(ITSSレベル3)

より高いレベルが求められるのが、応用情報技術者試験です。
ITエンジニアとしてレベルアップを目指す人を対象とした試験で、技術的な内容に加えて、管理や経営の知識を身につけることができます。

その他の高度試験(ITSSレベル4)

情報技術者試験の中でも、高度試験と言われる試験は、ITSSのレベル4に相当します。
高度試験とされるのは、以下の試験です。
  • ITストラテジスト試験
  • システムアーキテクト試験
  • プロジェクトマネージャ試験
  • ネットワークスペシャリスト試験
  • データベーススペシャリスト試験
  • 情報セキュリティスペシャリスト試験
  • ITサービスマネージャ試験
レベル4に対応する試験では、専門性の高い知識や、応用的な知識・スキルが求められます。
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新設されたITSS+(プラス)とは?

ITの益々の発展に伴い、2017年頃からITSS+の新設が策定されました。
ITSS+はITについての「学び直し」の指針として新設されたもので、IT人材の更なるスキル向上を目指すのに活用されています。
ITSS+では、ITSSに加えて4つのスキル領域を設定しています。
データサイエンス領域・アジャイル領域・IoTソリューション領域・セキュリティ領域の4つの領域を学び直すことによって、IT人材のスキル向上を図る目的を持つ指標なのです。

まとめ

IT人材のレベルを測るITSSは、人材を評価するときや自身のスキルレベルを証明する際に、非常に有効なものです。
これからIT人材としてキャリアをスタートさせたいと考えている人は、ITSSレベルを踏まえた資格の取得に挑戦してみてはいかがでしょうか?
自身のスキルを証明する資格を持ち、就職や転職に有利につなげていくと良いでしょう。
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