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システム運用に必要な資格10選!資格がないときつい仕事なのか?

運用や保守の仕事は、所属する企業や担当業務により呼び名が変わることがあります。
そのため、運用保守を仕事にする人にとって、有用な資格はいくつかあり、具体的なキャリアアップの方法が個人によって違うことが特徴です。
この記事では、システム運用を志す人の役に立つ資格について解説しています。
システム運用の仕事内容や、年収、キャリアパスにも触れるので、「これからIT業界を志す」「システム運用の仕事に興味がある」という人はぜひ参考にしてください。

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システム運用とは?

システム運用とは、ITサービスやネットワークを『いつも通りに作動させる』ことです。
監視やアラート管理を行って事業全体をサポートしています。

システム運用の仕事内容

システム運用の仕事は、システムの正常性の維持です。
ITサービスや情報ネットワーク上で、何らかのトラブルが起きないよう、システムの稼働や不具合に繋がるような挙動を検出し、報告管理しています。
バックアップやアップデートに備えたデータ管理も、システム運用の仕事です。
つまり、いわゆるインシデント対応や管理が業務の大部分を占めます。
仕事ぶりが直接、事業やプロジェクトに大きな影響を与える場面を目の当たりにする機会は多くありません。
しかし、インシデントがアクシデントに発展すると、その影響は甚大です。
システム運用は、縁の下の力持ちとなってITシステムを根幹から支えています。

システム運用の仕事には資格が必要な職種?

システム運用の仕事を行うために資格は必要ありません。
しかし、官公庁系の案件請負などでは一定の資格保有が必要となることが多いため、資格を取得しておくことで就業できる現場の幅は広がります。
また、資格の取得はITエンジニアとして業務に必要な知識を身につけていることの証明になります。
特に、国家資格と言うことができる基本情報技術者試験と応用情報技術者試験に合格しておくと、多くの企業が評価するため、転職時に有利に働くことがあるでしょう。
SIerやフリーランスにおいて案件が獲得しやすくなるほか、ITエンジニアとしての自身の評価・収入向上につながるため、積極的に資格取得に挑戦することをおすすめします。

システム運用の仕事に役立つ資格を紹介

ここからは、以下のシステム運用の仕事に役立つ資格の概要や難易度、勉強方法をご紹介します。
  • ITIL4 Foundation
  • 基本情報技術者
  • 応用情報技術者
  • ネットワークスペシャリスト
  • ITサービスマネージャ
ぜひ挑戦する資格を選ぶ際の参考にしてください。

ITIL4 Foundation

ITILは英国の政府機関から出版されたITシステム運用管理のフレームワークです。
ITIL資格を取得することで安定したシステム運用に必要なITサービスマネジメントの知識を身につけていることが証明できます。
ITIL4 FoundationはITILの中でも入門となる資格です。
合格率は非公開となっていますが、取得難易度は低く、シラバスの内容をきちんと勉強すれば合格はそう難しくありません。
参考書やPing-tなどのサイトを利用して勉強を行いましょう。
受験費用は試験実施機関により異なりますが、2024年5月時点で5万円台~6万円台と少し高めです。為替状況により変動するため、試験実施機関の公式サイトを確認しましょう。
また、2024年5月現在、試験合格後から3年間の有効期限があるため注意が必要です。
開催元 英国の政府機関
合格率 非公開
受験費用 5万円台~6万円台(試験実施機関により異なる)

基本情報技術者

基本情報技術者はIPA(情報処理推進機構)が認定する国家資格です。
安定したシステム運用に必要なIT知識の基本を身につけていることが証明できます。
基本情報技術者は情報処理技術者の入門的な位置づけですが、必要な知識の幅が広く出題数も多いため難易度は易しくはありません。
参考書などを利用してしっかりと勉強をする必要があります。
国家資格のため有効期限はなく、受験費用も7,500円(税込)と安いため、システム運用未経験~数年程度の人がまず目指す資格としておすすめです。
令和5年度の試験では、合格率は、47.1%でした。
開催元 IPA(情報処理推進機構)
合格率 47.1%(令和5年度)
受験費用 7,500円(税込)

応用情報技術者

応用情報技術者も同様に、IPA(情報処理推進機構)が認定する国家資格です。
システム運用における高度なIT知識を身につけている証明になります。 応用情報技術者は、基本情報技術者の上位資格です。
必要な知識の幅が広く出題数が多いことに加え、知識も高度になっているため難易度は高めです。
システム運用業務では普段使わない知識も問われますので、参考書などを利用して勉強をおこないましょう。
国家資格のため有効期限はなく、受験費用も7,500円(税込)と安いため、システム運用経験が数年程度の中堅の人が目指す資格としておすすめです。
令和5年春期の試験では、合格率は、27.2%でした。
開催元 IPA(情報処理推進機構)
合格率 27.2%(令和5年度春期)
受験費用 7,500円(税込)

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストはIPA(情報処理推進機構)が認定する国家資格です。
高度なネットワーク知識を身につけている証明となります。
ネットワークスペシャリストはIPAが認定している資格の中でも上位の資格で、合格率は高くても17%程度と狭き門です。
ネットワークに関する業務経験と共に、足りない知識を参考書などで補いましょう。
こちらも国家資格のため有効期限はなく、受験費用も7,500円(税込)と安いため、ネットワークエンジニア経験数年程度の人が目指す資格としておすすめです。
令和5年春期の試験では、合格率は、14.3%でした。
開催元 IPA(情報処理推進機構)
合格率 14.3%(令和5年春期)
受験費用 7,500円(税込)

ITサービスマネージャ

ITサービスマネージャはIPA(情報処理推進機構)が認定する国家資格です。
ITサービスの企画・立案に必要な高度な知識を身につけている証明となります。 ITサービスマネージャもIPAが認定している資格の中では上位の資格です。
合格率は例年15%程度と狭き門です。
システム運用業務だけでは学べない知識も多いため、参考書などを利用して繰り返し勉強が必要です。
この資格も国家資格のため有効期限はなく、受験費用も7,500円(税込)と安く設定されています。
ITエンジニアを数年経験し今後はITサービスの企画・立案に携わりたいという方が目指す資格としておすすめです。
令和5年度春期の試験では、合格率は、15.2%でした。
開催元 IPA(情報処理推進機構)
合格率 15.2%(令和5年度春期)
受験費用 7,500円(税込)

各種ベンダー認定資格

次に、システム運用に役立つ各種ベンダー認定資格の概要や難易度、勉強方法を紹介します。
ベンダー資格は受験費用が高くなりがちである上に優位性の有効期限があるため維持が大変ですが、知識・技術を証明する有効な資格のため、ぜひ取得に挑戦してみましょう。
  • シスコ(Cisco)技術者認定(CCNA,CCNP)
  • Oracle Master
  • JP1技術者資格認定
  • Linux技術者認定(LPIC・LinuC)

シスコ(Cisco)技術者認定(CCNA,CCNP)

シスコ(Cisco)技術者認定はCiscoシステムズ社が認定するネットワークの資格です。
アソシエイトレベルのCCNA、プロフェッショナルのCCNP、エキスパートのCCIE、CCDEなど、レベル別に入門~上級の資格が用意されています。
未経験~1、2年程度であればCCNA、数年程度以降はCCNP以上の資格を取得していれば、ネットワーク業務における知識・技術のアピールに役立つでしょう。
参考書での勉強に加え、CCNAとCCNPについてはPing-tでも取り扱いがあります。
バージョンによって試験要項がこまめに変わる点には注意が必要です。
受験費用は令和6年5月現在で、CCNAが46,860円(税込)、CCNPは必須のコア試験が62,480円(税込)、選択のコンセントレーション試験が46,860円(税込)と高額です。
優位性の有効期限はCCNA、CCNP共に合格日から3年間です。
開催元 Ciscoシステムズ社
合格率 非公開
受験費用 CCNA:46,860円(税込)
CCNP(コア試験):62,480円(税込)
CCNP(コンセントレーション試験):46,860円(税込)
有効期限 合格日から3年間

Oracle Master

Oracle Masterは日本Oracle社が認定するOracle Databaseの技術資格です。
入門的なOracle Master BronzeからSilver、Gold、Platinumと上位の資格が用意されています。
Oracle Databaseは日本国内でトップのシェアを誇るデータベース技術のため、利用している現場は多く、資格を保有していることで一定以上の知識・技術をアピールできるでしょう。
参考書での勉強に加え、オラクルマスターへの道、Ping-tなどのWeb問題集を利用することもおすすめです。
Oracle Masterで上位の資格が認定されるためには、Bronzeから一つずつ合格していく必要があります。
Bronze合格に必要な費用は32,340円(税抜)と高額で、Silver以降には更に費用がかかります。
開催元 日本オラクル社
合格率 非公開
受験費用 一つの資格認定で3万円以上
有効期限 有効期限なし
資格の有効期限はありませんが、技術は日々アップデートされているため、資格取得後も常に最新情報を学ぶ必要があるでしょう。

JP1技術者資格認定

JP1技術者資格認定は日立が認定する日立の統合システム運用管理「JP1」製品の技術認定資格群です。
同資格群の中には、システム運用における監視やパフォーマンス、ネットワーク、セキュリティなどといったさまざまな管理項目が含まれています。
日立社内および日立のパートナー企業のみが受験可能な資格もあり、他ベンダー資格と比べて取得者数は少ないです。
現場でJP1を利用していない場合は、資格取得したとしても大きな評価につながらない可能性もあります。
ITスキルに準拠したレベルは標準~やや高い程度ですが、情報が少なくほぼ参考書のみでの勉強となります。
開催元 日立社
合格率 非公開
受験料(税込) JP1認定セールスコーディネーター:5,500円(税込)
JP1認定エンジニア:6,600円(税込)
JP1認定プロフェッショナル:8,800円(税込)
JP1認定コンサルタント:11,000円(税込)
有効期限 原則として合格したバージョンで有効、新バージョンへの更新は無料で、合格まで何度でも受験可能

Linux技術者認定(LPIC・LinuC)

Linux技術者認定(LPIC・LinuC)はNPO法人であるLPIが認定するLinuxの技術資格です。
もともと日本ではLPIの日本支部であるLPI-JAPANがLPICの認定を行っていましたが、現在はLPI-JAPAN独自のLinuCに移行しつつあります。
LinuxなどのUnix系をベースにしたOSを利用しているサーバは多く、サーバエンジニアが一定以上の知識・技術を備えている証明となります。
入門的なレベル1から専門的なレベル3まで段階的に分かれていますので、自分の経験に沿ったレベルの取得を目指しましょう。
参考書での学習に加えてPing-tなどのWeb問題集も充実しているため、積極的に活用することがおすすめです。
レベル1と2は2試験、レベル3は複数分野の中の1試験に合格することで認定されます。
1試験の受験料は16,500円(税込)と他ベンダー資格より安く、優位性の有効期限も5年と長めなので、Linuxを利用している現場でサーバ業務を行っている方は取得しておいて損はないでしょう。
開催元 NPO法人LPI
合格率 非公開
受験費用 16,500円(税込)
優位性の有効期限 5年

今後はクラウド系の資格も重要に?

ここまでシステム運用に役立つ資格を複数紹介しましたが、近年ではシステムのインフラにクラウドサービスを利用する企業も増えています。
AmazonのAWS(Amazon Web Services)やGoogleのGoogle Cloud、MicrosoftのMicrosoft Azureなどはすでに多くの現場で導入されています。
今後も、システム運用における業務をクラウドに移行していく流れは続くと考えられるため、上記に挙げたような多くの現場で導入されているクラウドサービスの認定資格にも積極的に挑戦してみましょう。
もし、どの資格を取得すれば良いか迷っている人がいれば、現在の仕事に即して必要な資格から取り組むことをおすすめします。
例えば、システム運用の仕事をしながら、ITILやCCNAなどの実務に密接に関連する資格を取得するなどです。
また、資格取得を通じて専門知識を深めることは、業務の効率化やトラブルシューティング能力の向上にもつながり、自己成長を目指す人に向いています。
もちろん、資格はただ技術・スキルの証明だけに限らず、年収アップや将来のキャリアパスを広げることに役立つものです。
最後に、システム運用の職種における年収の概況とキャリアパスを見ていきましょう。

システム運用の年収とキャリアパス

最後に、システム運用と年収のキャリアパスについて考えます。
  • システム運用の年収
  • システム運用のキャリアパス
システム運用の年収は他のITエンジニアと比較すると高くないため、キャリアアップを目指す場合は必然的に資格を取得して別業種に転身していく必要があります。
つまり、システム運用としてのキャリアパスには資格取得が欠かせません。
ここからは、システム運用から始まるIT業界でのキャリア形成について解説します。

システム運用の年収

システム運用の平均年収は、20代で400万円弱、30代で500万円程度といわれています。
システム運用の業務は、多くがマニュアルに沿って行われ、プログラミングのようなIT関連の知識がなくとも勤まります。
他のITエンジニアと比較しても、システム運用の年収は低水準に留まることが現状です。
つまり、『高度なIT人材として認められたい』『業績を上げたい』『給与アップを目指す』のであれば、何らかのIT技術や知識を身に付ける必要があるでしょう。
ちなみに、システム運用のキャリアアップ先として考えられるネットワークエンジニアの平均年収は475万円、ITコンサルタントであれば647万円です。
システム運用としてスタートとしても、キャリアアップすれば確実に年収は増やせます。
運用保守エンジニアの年収については下記で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

システム運用のキャリアパス

システム運用のキャリアパスは、監視・運用・保守の3ステップで考えましょう。
まずは、ネットワークの監視やバックアップデータの管理といった業務を通じて、トラブルが起こる原因やITサービスの仕組みについての理解を深めます。
次に携わるのがインシデント対応です。
障害に発展する可能性のあるトラブルについて因果関係を明らかにし、関連部署に報告・対応を行います。
最後に位置する保守は、実際に手を動かしてITサービスの改善・メンテナンスを担うため、プログラミングやネットワークにおける専門知識と、高い技術力が求められます。
次のステップに進むためには、実務と並行しての学習・資格取得が必要になるため、学習時間を捻出する工夫は必須です。
キャリアアップの方法については下記で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

今回はシステム運用に関連する資格の特徴や難易度、勉強方法などを紹介しました。
技術のアップデートによる優位性低下はあるものの、資格を取得することは自らのスキルをアピールするうえで大きなメリットとなります。
また、資格取得のための学びには実務経験だけでは補えない知識の振り返りや応用につながる効果もあります。
なお、システム運用の分野でスキルアップを図りたいと思っている人には、未経験でもチャレンジできる環境で実際の実務を経験することも大切です。

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さらに、テクノジョブサーチでは資格補助のある案件も多数取り揃えています。個人で資格を取得するには費用がかかりますが、企業負担で資格を取得できるチャンスがあります。経済的な負担を軽減しながら、自分のスキルを高めることができるでしょう。

実際の業務を通じて得られる知識や経験は、学習した記憶の定着に役立ち、将来的にはより専門的な職種へのステップアップにもつながります。自分のキャリアを形成するための第一歩として、ぜひこの機会に挑戦してみてください。

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