COLUMN運用保守の仕事はスキルがつかない?仕事内容や将来性を解説!

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運用保守の仕事はスキルがつかない?仕事内容や将来性を解説!

保守運用
運用・保守の仕事は、ITサービスを滞りなく稼働させるために必要不可欠です。
しかし、一部では「運用・保守関連の仕事はスキルが身に付かない」と言われることがあります。
実は、運用・保守の業務を円滑に進めるには、ITサービスにまつわる幅広い知識が欠かせません。
この記事では、運用・保守の業務では新しいスキルが身につかないと言われる理由について解説しています。
運用・保守に必要なスキルや、キャリアアップに役立つ資格も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

運用・保守とは

システムの運用・保守は、ひとまとめに呼ばれることが多いものの、担当する業務はそれぞれ内容が異なります。
運用は、システムを日々安定的に稼働させる業務です。
保守は、システムの不具合改善に向けて継続して変更を行います。
具体的に言えば、システムの挙動にエラーがないかを常に監視しているのがシステム運用で、バージョンアップなどの変更を実施するのがシステム保守です。
ITシステムの健全な稼働に欠かせない運用・保守の仕事は欠かせません。
しかし、IT業界で人材としての価値をより高めるためには、積極的にスキルを身につける必要があります。
また、システム運用・保守では、スキルが身につかないとしばしば言われることも事実です。
今回は、運用管理や設計を含めない、「運用・保守」の内容について解説します。
システム運用と保守の違いについては下記で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

運用・保守はやめとけと言われる理由

運用・保守の仕事に対する、ネガティブなイメージは以下の5つが原因とされています。
  • 単純作業の繰り返しでスキルが身につきにくい
  • 年収・市場価値が上がりにくい
  • 夜勤・休日のトラブル対応
  • 暇なことが多い
  • お客様からの感謝を実感しにくい

単純作業の繰り返しでスキルが身につきにくい

システム運用・保守が担う仕事は、主にITシステムの安定稼働をサポートする業務です。
システムの監視業務は、稼働状況を確かめる巡回作業からはじまります。マニュアルで定められている場合も多く、毎日同じ内容で確認作業を繰り返す仕事です。
さらに、システム運用・保守の求人の多くは長期間の契約を前提にしています。
そのため、スキルが身に付きにくい環境だったとしても、長く身を置かなければなりません。

年収・市場価値が上がりにくい

システム運用・保守の仕事は、年収や人材としての市場価値が上がりにくいです。
運用・保守で担当する業務は、単純作業が多く、能動的にスキルを獲得しなければ知識の獲得が難しくなります。
また、同じ業務が続くためインセンティブといった年収を上げる要因が少ないです。
そのため、運用・保守の仕事は仕事の成果が数値で評価されにくく、年収や人材の市場価値が上がりにくくなります。
運用保守エンジニアの年収については下記で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

夜勤・休日のトラブル対応

システム運用・保守の仕事には、夜勤やトラブル対応に伴う休日出勤があります。
ITサービスやシステムの稼働は、昼夜を問わず24時間365日続けて行われるためです。
システムを安定して稼働させるために、メンバーが交代で夜勤にあたる勤務形態も多いでしょう。
トラブル発生時には、早急な解決が求められるため休日出勤も必要です。決まった休みを確保するのは難しいでしょう。
不規則な生活リズムになる可能性もあるため、運用・保守を避けたい人もいるはずです。

暇なことが多い

運用・保守は、受動的な仕事が多く時間を持て余すこともあります。
例えば、運用で重要なシステムの監視業務は、ルーティンワークです。保守も、アクシデントが起こらない限り、実際に手を動かす場面はありません。
目立った活躍の場が得られにくいことから、システム運用・保守の仕事は暇が多いと言われています。
業務につき始めた当初は新しい経験に感じても、勤続年数が伸びるにつれて刺激は少なくなるかもしれません。

お客様からの感謝を実感しにくい

運用・保守の仕事では、お客様からの感謝をやりがいにしづらいです。
業務内容は、ほとんどが裏方作業となるため、ユーザーと直に触れ合う機会はまずありません。
例えば、客先に赴いて商談する開発エンジニアのように自分で直接お客様からの反応に触れることもないでしょう。
仕事におけるやりがいを実感しづらく、働く楽しみを見出しにくい点から「やめとけ」と言われる場合があります。

運用・保守に必要なスキル

運用・保守の仕事は、スキルが身につかないと言われる職種ですが、そもそも現場で求められるスキルはどのようなものでしょうか。
運用・保守に必要なスキルとして、以下3つの内容を解説します。
  • システムに関する知識とスキル
  • インフラ部分に関する知識
  • トラブル対応力とコミュニケーション

システムに関する知識とスキル

システム運用・保守には、システムに対する深い知識とスキルが必要です。
安定稼働のためには、システムを構成する要素や挙動における知識が欠かせません。
さらに、保守業務ではトラブルを解決へと導く対応力や理解力が求められます。
つまり、運用・保守の仕事は業務をこなすには、一定の知識や技術の保有が大前提です。
スキルアップの環境がないとしても、システムに関する知識とスキルを常にアップデートする努力は必要となるでしょう。

インフラ部分に関する知識

システム運用・保守は、ITインフラにおける知識が欠かせません。
クラウド環境への移行が進みつつある現代において、ITインフラは業界でも注目されるジャンルの一つです。
運用・保守であっても、インフラ部分における知識が推奨されます。
中でも、セキュリティ対策の知識は常に変化し続けるため、現場でも重宝されるでしょう。
今後のキャリアアップを考えた上でも、必要となるスキルの一つです。

トラブル対応力とコミュニケーション

運用・保守では、トラブル対応力とコミュニケーション力も必要です。
インシデントの発生を監視し、トラブルを未然に防ぐ運用業務では、実際にトラブルが起こった際に保守管理に対応を依頼します。
トラブルの内容を的確に伝えなければ、業務が滞る可能性もあるでしょう。
システム保守では、トラブルを速やかに解決へと導くための柔軟な対応力が求められます。
運用・保守では、トラブルに対応するスキルや他部署とスマートに連携できるコミュニケーション能力は必要になってきます。

運用・保守の将来性

今や、ほとんどの企業が、何らかのシステムに依存して運営しています。
そのため、運用・保守の仕事が、業界的な需要として消滅することはありません。
ただし、現代では自動化ツールの普及によって運用・保守業務に対して求められるスキルも変わりつつあります。
例えば、定点観測の業務については自動化ツールで代替可能です。
現状では人工知能では検知できないインシデントはあるものの、今後技術が発達すれば企業が有人監視の業務で人件費を支払うメリットが無くなる可能性もあります。
担当できる業務の幅を広げるよう、資格を取得して、より上流の仕事をこなせるよう目指していくことが何よりも重要です。

運用・保守に役立つスキルを身につける方法

運用・保守として人材のレベルを高める方法は、以下の2つです。
  • 運用・保守として仕事のスキルを高める
  • 違う職種のスキルを得て活かす
いずれも、エンジニアとしてキャリアを見直すきっかけとして確認してみてください。

資格取得を目指す

運用・保守の仕事に活かせる資格は、以下の4つです。
  • 基本・応用情報技術者
  • ネットワークスペシャリスト
  • データベーススペシャリスト
  • システムアーキテクト
運用・保守の仕事に活かせる資格については下記で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

基本・応用情報技術者

基本情報技術者・応用情報技術者は、いずれもシステムエンジニア界隈で知名度の高い国家資格です。
基本情報技術者では、SEに欠かせないプログラミングスキルが問われます。
応用情報技術者には、記述式で幅広い知識が問われます。
ITエンジニアとして一通りの技術やスキルがあると証明できるため、転職やキャリアアップにも有利な資格です。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストとは、ITサービスのネットワークにまつわる固有技術を証明できる国家資格です。
開発スキルが学べるため、ネットワークの設計や構築業務を担えます。
監視やトラブル対応がメイン業務となる運用・保守に対し、ネットワークスペシャリストは開発に精通する能力が示せる資格です。
IRエンジニアとして活躍の場を増やしたいという人におすすめです。

データベーススペシャリスト

データスペシャリストとは、名前の通りデータベースにまつわる知識や技術が証明できる国家資格です。
データベーススペシャリストは、膨大なデータが集められたデータベースを駆使して企業活動をサポートします。
開発にまつわる知識が身につき、IT業界における人材としての人材価値も上がるでしょう。
あらゆるプロジェクトや企業で、重宝される人材になるきっかけが掴めます。

システムアーキテクト

システムアーキテクトとは、開発におけるマネジメント能力を証明する国家資格です。
資格試験の難易度は、IT業界でも高難易度に位置します。
しかし、開発の中心に立ってプロジェクトを推進できる能力が証明できるため、高度IT人材として評価されるでしょう。
業務の中でも上流工程を担当できるようになります。キャリアアップも力強く後押ししてくれる資格です。
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ベンダー資格

ベンダー資格とは、各種ベンダー会社が認定する資格です。
自社サービスに関連したベンダーから出される資格の取得は、必須業務といっても過言ではありません。有名どころとしては、以下の4つがあります。
  • マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)
  • Linux技術者認定試験(LPIC1-3)
  • JP1認定技術者
  • シスコ技術者認定(CCNA,CCNP)
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違う職種へキャリアアップする

システム運用・保守の仕事に行き詰ったら、他の職種へのキャリアアップも一つの手です。
  • インフラエンジニアになる
  • クラウドエンジニアになる
  • システム開発・インフラ構築を行なう
  • ITサービスマネージャー・ITコンサルタントになる
担当業務の幅が広がるので、仕事のやりがいもよりいっそう向上します。

インフラエンジニアになる

運用・保守から、インフラエンジニアを目指すこともできます。
インフラエンジニアは、インフラ環境の設計構築をメイン業務にするエンジニアです。自分で手を動かして、ゼロからITサービスを作り上げます。
運用・保守から転身するのであれば、日々の業務負荷の軽減にも配慮した開発ができるので、より多くの人から重宝されるITシステムが生み出せます。
仕事におけるやりがいも感じやすいでしょう。

クラウドエンジニアになる

運用・保守の仕事を経験したのなら、クラウドエンジニアになることもできます。
クラウドエンジニアは、インフラ環境の変化が著しい現代でもっとも必要とされるエンジニアの一つです。
特にクラウドにおける知識は、今後のIT業界でも欠かせないものとされています。
クラウドエンジニアとしての能力が身につくことで、エンジニアとしての価値も高まるでしょう。

システム開発・インフラ構築を行う

運用・保守という守りの仕事を経験したのなら、システム開発やインフラ構築といった攻めの側に立つ仕事もおすすめです。
いずれも畑の違う職種ですが、運用管理の仕事を念頭におくだけでより幅広く活躍できるようになるのは言うまでもありません。
開発や構築といった業務は、日々新しい案件を扱います。
ルーティンワークによる疲弊もなく、刺激を受けながら業務に取り組めるでしょう。

ITサービスマネージャー・ITコンサルタントになる

ITサービスマネージャーやITコンサルタントは、システムエンジニアのなかでも上流工程で働く職種です。
ITサービスマネージャーは、運用・保守の専門家です。
開発の最終工程に位置し、テスト運用を通じてシステムの安定稼働を最終ジャッジします。
ITコンサルタントは、ITサービスを企業活動に活かすサポートをする仕事です。
いずれも、システムエンジニアとして培った能力を活かして社外に出て活躍します。

まとめ

運用・保守の仕事は、単調に日々の業務をこなすだけでは新しいスキルは身につきません。
意識的に別の業務にチャレンジしたり、資格取得を目指したりといった方法を試してスキルを身に付けましょう。
開発や設計における業務にも目が行き届けば、運用・保守としてのキャリアはよりいっそう開けるはずです。
運用・保守である程度の経験年数を積んだ後は、この記事で紹介した職種にキャリアアップを目指してみてください。

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